全国各地で衝突が確認されている山口組分裂抗争だが、富山県もかなり緊迫した状況のようだ。

富山の中心地に佇む富山城※写真はイメージ
神戸山口組系組長の拉致監禁事件が発生か?
「神戸山口組の山健組とその傘下、さらには最近出所した宅見組関係者が富山県の中心街に新事務所立ち上げを進めるなど、神戸側の動きが活発になっているみたいです」(北陸で取材を続けているジャーナリスト:以下同)
富山県内では昨年9月に山口組系芳賀組、神戸山口組系本江組が大規模な示威行動を展開。
今年に入ってからは本江組幹部が芳賀組幹部を襲撃する事件が発生。
また新たに神戸側へ山口組系のある組織が合流したともいわれており、物々しい状態になっている。
「今年神戸に入ったといわれている組織は山口組から絶縁処分されたあと、頻繁に襲撃を受けています。その執拗さからは神戸側に人間が流れていくことに対する焦りと怒りが滲み出ていますね」
容赦のない制裁を加えていく山口組のスタイルは過去の山口組離脱組織に対するそれである。
そんななか急転直下の事態が起きたという。
「今週、離脱した組織の組長がボディーガードと行動中に、山口組側の人間に拉致され、離脱の責任を取るために指を詰めさせられたようです。拉致から開放までわずか一日という電撃的展開でした」
救出する間もなく実行された「指詰め監禁」 。
これによる組織へのダメージは甚大だろう。
今後その組織はどうなるのか?
「指を詰めさせられた組長及び組織は神戸として活動していくのか、組長が引退して、組織だけは存続させるのか全く不明ですね」
しかしこの事態をきっかけに富山県内の分裂抗争がさらに激化する可能性があるという。
「宅見組新事務所の進出、芳賀組舎弟頭襲撃のカエシ(報復)についてはこれから何か起こるのではないかと注目されています」
「実は富山県内には神戸山口組の正木組系の企業がかなりあるんです。警察の監視は組織関係者に集中しているので、山口組側がその間隙を縫って正木組系企業や関係者の一般家族を標的にした無差別攻撃を仕掛けるかもしれないという見方も出ています」
当然、今回の「指詰め監禁」に関しての神戸側のリアクションも予想される。
富山県を舞台とした熾烈な分裂抗争は市民をも巻き込んだ恐るべき展開をはらんでいる。
(取材/文=渋谷道誉)