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女性週刊誌記者が自省「マスコミは検事でも裁判官でもないことを肝に命じるべきです」

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2015年8月、東京都中野区の劇団員の女性(当時25)が殺された事件で、福島県矢吹町の職業不詳・戸倉高広容疑者(37)が逮捕されました。戸倉容疑者は「抵抗され、部屋にあったコードのようなもので首を絞めた」と供述しています。


「犯人逮捕!」にまつわるメディアの役割

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写真はイメージです

 事件発生から7ヶ月、東京・中野で劇団員の女性が殺害された事件で、37歳の男性が逮捕されました。でも、ヨシワラが犯人逮捕で毎度思うのは、「やっと捕まってヨカッタ!」と喜ぶのはシロートさんだけにしないと、ということです。

 おまわりさんと一緒になって「死刑だ死刑だ」と言っているメディア関係者、本当に多いですね。特にこの事件は被害者の女性が全裸だったこともあり......。

「本当に、この人が犯人なの?」という視点がまったくないですね。

 一方で、栃木・今市の女児殺害事件は、取り調べで「殺してごめんなさいと50回言え」と言われた(途中で泣いちゃって言えなかったそうですが)とか、「否認したら警察官にビンタされた」などの捜査事情を被告人が明らかにしていて、大手メディアも「さすがにちょっとこの捜査はマズイんでないか」的な報道になりつつあります。

 3月8日の法廷には、遺体の解剖を担当されたお医者様が証人として出廷、「自白」の内容と遺体や現場の状況が違うと証言して話題になりました。

 また、女児の遺体についていたとされる猫の毛が、被告人の飼っていた猫の毛ではない可能性は高いことも報じられています。

 ある解剖学の教授は、「報道で司法解剖した医師が警察の捜査を全面的に否定するような証言をしていることに驚いている。無罪もありえるでしょう。普通は警察がそんな証言をさせません。よほどの確信があるでは?」と話しています。

 弁護人さんががんばっておられるようで、この先も大注目ですね。

 とはいえいったん逮捕されて、こんだけ顔写真が流出してしまうと、かりに無罪を取っても社会復帰は難しくなります。

 刑事裁判で人生を狂わされた方が少なからずいることに、司法当局もメディアももっと緊張感を持ってほしいですね。自戒を込めてそう思います。

 先日お伝えした北海道警の組織犯罪が解明できるかが注目されるロシア人船員さんの再審開始決定(リンク)はまだ望みがありそうですが、たとえ無罪となったところで、拘留・懲役の時間は戻らないのですし。 人が亡くなる、とか、疑いをかけられる、ということがどういうことなのか、殺人犯にも司法当局にもメディアにも想像力が足りない気がします。

 ちなみに被害に遭われた劇団員さんのアカウントとされるツイッターは、ものすごく面白くて、大好きです。

「(海に行ったら)すごい荒ぶってて、パンツ80%くらい脱げたし溺れ死にそうになった」とか。生きていればお友達になれたのに。

 改めまして、被害者の方のご冥福をお祈り申し上げます。


(取材/文 吉原美姫)