>  > 何千人も犯罪者を見てきた結論だが、刑務所から出してはいけない人間っていると思う
元極道の異色作家・沖田臥竜のニュース解説  「プロ」はニュースはこう読む!

何千人も犯罪者を見てきた結論だが、刑務所から出してはいけない人間っていると思う

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2013年6月に千葉県習志野市で47歳の女性が殺害された事件で、千葉県警は今月3月3日、中国籍で住所不定の無職、楊暁春容疑者(50)を逮捕した。楊容疑者は別の窃盗事件で東京の府中刑務所で服役しており、出所と同時に逮捕した


なにも考えずに、感じずに人を殺せる奴ら


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TBS NEWSi「習志野女性殺害、中国籍の男を殺人容疑で逮捕」(リンク

 そうやすやすとシャバの土は踏ませんぞ、という千葉県警のカッコたる決意がうかがえる楊容疑者に対する門前逮捕。

 どんな強者といえども、門前逮捕や引き戻しにおける再逮捕を何度となくやられると、いつかは根を上げるものである。ましてや、刑務所の出所と同時に警察にUターンともなれば、心がへし折れてしまうはずである。

 だが、この楊は違った。ちょっと照れ臭さ気に、カメラに向いクネっと笑ってみせたのである。

 まさか自分の放免祝いにテレビ局が駆けつけてくれた、とでも勘違いしていたのであろうか。そのくらいの、余裕の笑みである。

 この薄気味悪い笑顔の向こうに、どういう残忍さが潜んでいるのであろうか。

 私の知る限り、この手のタイプの人間は受刑生活にやすやすと順応し、刑務所の中でものびのび楽しそうに過ごしているものである。

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山田浩二facebookより(現在は削除)

 大阪刑務所での山田浩二(寝屋川中1男女殺害・遺棄事件)の受刑生活もそうであったと聞くし、現在、某刑務所にて無期懲役服役中の安徳如愛(44件もの広域連続強盗事件)という男も、前刑の懲役では3年間無事故で務め終えたと聞いている。

 おおかた、この楊も、ちょっと変わった陽気な中国人というキャラで、普通に府中刑務所で服役していたのであろう。

 受刑中に何度か千葉県警は楊の元を訪れているという。そして任意ではあるが、この件で楊を取り調べている。

 窃盗と殺人とでは、わけが違う。千葉県警は慎重に捜査し、確信を持ったからこそ楊を門前逮捕したはずだ。マスコミを従え門前逮捕を打つということは、千葉県警には十分、楊を殺人容疑で立件できる自信があるからだと見てよい。そうでなければ、こそっと逮捕しているはずだ。大々的に報道させておいて、間違いでした、で済むわけがないことは、県警だって理解している。

 つまり、楊はかぎりなく"黒"なのだ。そして、あの薄気味悪い笑みを見る限り、楊に罪を償うという意識は、ない。

 門前逮捕──この手の逮捕は、警察サイドの嫌がらせで行われることが多い。

 これをやられると、どんな凶悪な犯罪者でも「汚いやないかいっ!」と、自分の犯した罪を棚に上げて批難の声を上げがちだ。周囲の犯罪者だって自分の立場を忘れ、留置場で同情だってしてくれるだろう。

 だが、楊の場合は違う。事実だとすれば、門前逮捕すら手ぬるすぎる。

 果たして、あの楊の笑みの裏側にはなにが隠されているのか。

 多分、なにもない。からっぽだろう。

 どれだけ、掘り下げても、せいぜい身勝手な思考回路しか出てこないのではないか、と私は思う。そこが怖い。




沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。現在、本サイトで小説『死に体』を好評連載中。