男心をソソるものは胸の谷間やパンチラよりもガッツリな飯だ。女体盛りよりも飯の山盛りのほうが愛おしい......。そんなガッツリグルメ愛好家のオススメの逸品を紹介していく。今回は四国支部からのエントリーだ!
ポンじゃなくてドン!な松山の名物ミートソース
四国支部の拠点である愛媛県松山市の名物といえば、やはり、みかんやポ○ジュース......そう思われがちだ。
たとえば、東京から知人が松山へ遊びに来たとして、「何か松山名物を食べさせてよ」と言われたら、迷わずに市駅前の『D』に連れていくことにする。
この店は『イタリア料理 D』と看板を出しているが、メニューにあるのはスパゲティ(決してパスタではない)4種。グラタンが3種に、あとはサラダ程度だ。
そして、ここの名物が
『D風ミートソース』
である。
なぜ、名物なのか?来店する客の9割以上が、このミートソースをオーダーしているようだ。ちなみに、当方はD歴20年以上になるが、グラタンをオーダーしているお客さんを見たことが無い。
このミートソース以外をオーダーする人が少ないからだろうか。メニューには「恐れ入りますがミートソース以外の商品は多少時間がかかりますのでご了承くださいませ」的なことが書かれている。
つまり、「とにかく、ミートソースを食べるけん!」的な雰囲気なのだ。それゆえに松山市民の間ではイタリア料理ではなく、『ミートソース専門店』という認識になっていると思う。
さて、松山市民以外の者が、この『D風ミートソース』に驚く点は2つある。
まず、このコーナーに出るからには"量"だ。普通盛りで麺は他店の2・5倍もある。ソースを含めると300グラム位か?そのため女性は"小"をオーダーすることがほとんどだ。
そして、普通盛りの上が当然、大盛りであるが......。
おそらく、麺の量は450グラム位あるのではないか?感じとしては、バレーボールを半分に切り、その中に麺を詰め込んで、サラの上にパカッと盛った感じだ。つまり、半球状で盛られているのだ。そこにミートソースがかかるという......。
ちなみに、この大盛りはあまりにも大盛りのため、メニューには掲載されていない。......でも、みんな知っているけど。
そして、もう一つ、松山市民以外の者が驚くのが味だ。20年以上に渡り、ソウルフードとして食べてきた我々は感じないのだが、東京者は
「甘い!」
を連発するのだ。
たしかに、他の店よりも"しょっぱさ"は少ないかもしれない。それゆえに、そう思うのだろう。しかし、甘いのではなく、"甘みがある"のだと主張したい。松山市民は、この"甘み"を好む傾向があって、ラーメンのスープも市外の者から「甘い!」と指摘されるが......。
話を『D風ミートソース』に戻そう。松山市民のソウルフードゆえ、昼時は行列ができることも珍しくない。まぁ、その行列の理由の一つは、間違いなく、この量にあると思うけど。そりゃ、完食には時間はかかる。だけど、気付けば食べちゃってる、という感じだ。そこがソウルフードたる所以なのだろうけど。
(取材/文=日向薫平)