●RENAvsイリアーナ・ヴァレンティーノ
──女子の格闘技について、前田さんはどうご覧になっていらっしゃいますでしょうか?
前田 可能性あると思いますよ。RENA選手見たら、「なかなかできる子がいるんだな」と思いましたね。相当の勘の良さと度胸のある子だよね。
──普通にアームバーで勝ってましたからね。
前田 それも、飛びつきでしょ?
──そうですね、練習してたという。しかも、2Rにやったというのが。前半だったらまだトライできそうですけど、後半の疲労した時に出るっていうのは大したもんですよね。
前田 大したもんだね。
●曙太郎vsボブ・サップ
──衝撃的だったのは、レフェリーのシーザー武志さんが「曙ががんばれるように、皆さん応援してください!」って、中立のレフェリーが片方の選手をリング上で応援するっていうのはリング上で初めて見た光景だったので(笑)。
前田 まぁ、あれはもう、ダメだね、あんなことしたらね(苦笑)。
●クロン・グレイシーvs山本アーセン
──これがベストバウトだったという声もあるんですが。
前田 いきなりクロン・グレイシーとやらせる必要はないと思うけどね。もうちょっと試合経験積ませたら、アーセン君は大化けしますよ。初戦でクロン・グレイシーぶつけて、変な苦手意識つけるのはどうなんかな? と思いますけどね。
──練習4ヶ月で出てきた割にはすごいポテンシャルでしたけど、東京五輪を目指してて、またアマチュアレスリングに戻るみたいですけどよね。
前田 東京五輪で日本代表になるのも、そんな簡単なことじゃないからね。こんな中途半端にやってると、両方ともダメになっちゃう気がするんだけど。でも、素質は第一級だから。あれで、19歳でしょ? まだまだ化けるよね。
──凄いですよね。さすが、格闘一家という。一方、クロンの方は......というかグレイシー側はマッチメイクに関してうるさいらしくて、強い人とやろうという意識はあまりないらしんですけど。
前田 無いね。この試合に関して言えば、ヒクソンは自分の息子のマッチメイクっていうことをよく考えて勝負のない相手を選んだけど、山本家は思いっきり博打したって感じだよね。もうちょっと考えて、1~2戦やってからクロンだったらまだわかるんだけどね。
──打撃は山本アーセン選手の方が上に見えましたけど。
前田 いや、まだまだこれからですよ。これからなんだけど、凄くなる可能性を秘めてるんだよね。
●エメリヤーエンコ・ヒョードルvsシング・心・ジャディブ
──夕刊フジの取材で知ったことなんですけど、プーチン大統領来日の布石としてヒョードルを連れてこようみたいなところがあって、以前からモスクワのイベントに自民党の関係者が行って会ったりしてて。ヒョードルはただのスポーツ選手ではなく、引退後にロシアのスポーツ省の特別補佐官を務めたりしてたんで。リング上では文科省の馳浩大臣が表彰してたので......
前田 あれは馳、フライングだね。色んな意味で、問題になると思うね。たぶんRIZIN側の方にコンプライアンス上の問題があるから、お墨付きをもらう意味もあったんじゃないですかね。
──だって、唐突でしたもんね。ロシアと日本って国交回復60週年なのに何も動いてないっていうことで、ヒョードルを使って、政治的な意味での来日が決まってるから連れてこれるのかな? と穿った見方をしちゃったんですけど。贈呈したのが普通は表彰状なのにチャンピオンベルトっていうのが可笑しかったですが。
前田 あれ、菅(義偉)さんが見て激怒したらしいね(笑)。
(後編に続く)
(文=寺西ジャジューカ)
前田日明が満を期して放つRINGS公式チャンネル。 今まで、後援会やファンクラブをあえて持たずにここまで来た前田が、真の意味でファンと一体になれるツールとしてニコニコチャンネルを選びここに『RINGSチャンネル』が生まれた! 現在RINGSが主宰している『THE OUT SIDER』をはじめ、RINGS再生へ向けた前田の熱い心が満ち溢れている。新日時代からのファンも、UWF、リングスからのファンも、そして格闘技のみならず釣りやサバゲーなど趣味の話題も豊富に交えた、どっぷり前田日明と楽しめる放送だ。(詳細はこちらをPUSH!)
寺西ジャジューカ。1978年生まれ。テレビ業界とライター業界を行き来する毎日。ブライアン・ジョーンズとビートたけしと前田日明と大江慎也を敬愛している。Facebook:寺西ジャジューカ