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RIZINの試合を振り返る


 これからは、試合映像を観ながら当日の試合を一つ一つ振り返っていく。まずは、前田の愛弟子である高阪剛とジェームス・トンプソンの試合から。


●高阪剛vsジェームス・トンプソン
──29日の第一試合に、高阪剛選手が出場されました。45歳で10年近いブランクがあってという。

前田 正直、本人には「やんない方がいいよ」とは言いましたけどね。高阪の周辺の話を聞くとラガーマンをコーチしてて彼らと一緒に体を動かしてコンディションを維持してるっていうのも聞いたけど、それにしてもやるもんじゃないですよね。動体視力も、関わってないとドンドン落ちてくんですよね。反応できなくなるんだよね。

──高阪選手の体つきはどうですか?

前田 まあまあ、動かしてる体だよね。

──この試合でショッキングだったのは、対戦相手のジェームス・トンプソンが12kgオーバーだったんです。で、トンプソンが勝っても無効試合っていうルールなんですよね(苦笑)。これ、やる意味ないじゃんって思っちゃうんですけど。

前田 ギャラの問題でしょう、勝利者ボーナスとか。あとRIZINは、高阪が勝てないと思ったんでしょうね。でも高阪、よく動けてるよね。大したもんだね、やっぱりね。

──この試合の後も、高阪選手はしばらく試合を続けるということなんでしょうか?

前田 でもこれで勝ったからって45歳過ぎてやるもんじゃないと思うけどね、俺はね。


●宮田和幸vs日菜太
──キックボクシングの日菜太選手と、前田さんもよくご存知の宮田和幸選手が試合しました。1Rはキックルールを3分間やって、2Rは総合格闘技ルールを3分間やるっていう、このミックスドルールについてはどうお考えでしょうか?

前田 これはもう総合の黎明期に試験的にやったルールであって、今さらやるもんじゃないんですよね。たぶん、オファーが直前だったと思うんですよね。でないと、こんなルールでやらないですよ。キックの選手に「総合でやりませんか?」、総合の選手に「キックでやりませんか?」ってオファーして「総合だったらやります」「キックだったらやります」、折り合いつけようとしたらミックスしかないじゃないですか。ということは、直前に決まったマッチメイクですね。たぶん宮田の相手も探せなかったし、日菜太の相手も探せなかったんでしょ。もっとシビアに考えると2人でキックルールか総合ルールでやりたかったんだけど、どっちにも嫌がられたと。むりやり試合を成立させるために「ミックスドルールでやれば」って納得させた可能性もあるよね。

──見てても、打撃に慣れない選手が一方的に打たれ続けてるみたいな試合ですよね。

前田 でも準備できたら、宮田はこんなんじゃないよ。もっと、全然マシですけどね。


●石井慧vsイリー・プロハースカ
──石井選手が1RでTKO負けしちゃったんですよね。ほとんど何もできずに石井選手は負けてしまったんですけど......

前田 いやぁ、石井は色んな意味でかわいそうだよね。経済状況とか練習環境とか含め、スタッフがいるわけじゃなく、彼が独立独歩で探してきて自分でお金出してやってるような状況なんですよね。彼がプロの選手としてどこかの芸能プロダクションに所属しても、そこから別に給料が出るわけじゃないし。

──石井選手はケイダッシュにいますけども。

前田 でも、全部自分のお金でやってるんですよね、こいつね。一回、悩んで自分のところに相談しに来たことありましたよ。「試合もなくて、これからどうなるかわからないから相談に乗ってもらえませんか?」って。その時に「ケイダッシュにいるから安心したんだけど、どんな状況なの?」って聞いたら、「アメリカへ行って練習したり、全部自分の貯金を食い潰してやってます」って言ってたね。

──アントニオ猪木さんのIGFで格闘技戦をやったりしてますけど、対戦相手があんまり充実してなくてちょっともったいない感じがしますけども......。

前田 誰も、石井を育てるためのマッチメイクをできないんですよ。「デカくて、ちょっと実績あったらいいだろう」って何でもかんでもぶつけるし、年間に決まった試合数をこなせるわけでもないし、いつも行き当たりばったりでしょ。

──本来であれば「今度はこういうタイプを当てよう」って、成長させなきゃいけないわけですよね。

前田 そうだよね。


●桜庭和志vs青木真也
──これは、あっという間に終わってしまいました。一方的でしたよね。正直、僕はテイクダウン取れるかどうかが鍵だと思ったんですけど、桜庭選手があっさりテイクダウン取られちゃうんですよね。そこからはいいところなしで、グラウンドで固められ、マウントポジション取られ、ずっとパンチを浴びて、青木選手が「止めていいだろう!」とアピールしたんですけどなかなかストップがかからなくて、桜庭選手はかなり出血して顔も腫れて、という感じで試合が終わりました。

前田 桜庭はリングに立った瞬間、あとプロレスの試合を観たりもするけど、もう総合の試合はできないなっていう。そういう体じゃないよね。

──総合から遠ざかって4年、ちょっと無理があるというか。全盛期の頃だったら違ったんでしょうけど、ちょっとかわいそうな。逆に言えば、格闘技のシビアな面を見せた試合ではあるんですけどね。

前田 PRIDEの時代に20~30kgの体重差ある選手と普通にやらされて、試合の間隔も短くて、怪我してようと何してようと使われて。それで最後のとどめはヒカルド・アローナ戦で、四つん這いになったところに後頭部への集中的な膝蹴り。あれを、レフェリーが全然止めなかったでしょ。当時、島田がやってたけど。あれはもう、レフェリーとして失格だね。あれでハッキリ言って、桜庭は壊れましたね。あの試合の後から、桜庭はもう反応が全然おかしいからね。HERO'Sの時もリトアニアの選手(ケスタティス・スミルノヴァス)とやらせて、桜庭はいいところなしで、パウンド打たれて、ロープの外に首が出た瞬間"ガクッ"と首が落ちたから「これ、行った」と思って止めようとしたんだけど、当時のレフェリーは止めなかったんだよね。その時も「何やってんだ、桜庭を殺す気か!?」って言ったんですけど、ダメなものはダメなんですよね。危ないものは危ないんで、止めないと。(試合映像を指差して)今も後頭部に入ってるけど、レフェリーは何も言わないでしょう。本当はこんなの、スポーツじゃないんですよね。