古くは日本各地で行われていたという、お祭りの夜の乱交風習。暗闇祭りなどと呼ばれていたものである。戦後の風潮の中で、一気に消滅したといわれている。しかし、中には密かにその名残を残している地域もあるという。今回は、大学院の民俗学の研究で訪れたある村で、セックス奇祭を体験した若者に話を聞いた。話をしてくれたのは、都内の有名大学の大学院に通う大学院生、沖田君(24歳)。日本の民俗学、とくに祭りの伝統について研究しているという。
辺境の土地のお祭りで......
──大学院で、日本の民間風俗を調べていると聞きました。
「はい。院に入ってからは、祭祀、祭礼、祭儀といったいわゆる『お祭り』を中心に調査しています」
──そのフィールドワークの中で、いわゆる乱交祭りを体験されたとか。
「はい。もう現代日本では存在しないと言われていたのですが、実は秘密裏に土地の人間だけで行われているものがありまして。幸運にも調査することができました」
──沖田君は、その土地の出身なのですか?
「いえ、まったく関係がないです。なので、実際に目にできたのは、本当に幸運だったと思います」
──そして、そのいわゆる乱交自体を、目にしただけでなく体験もされたのですね?
「はい......。あくまでも調査に行っていたので、本当は観察するだけでよかったのですが......。流れ的に断りきれずに」
──それでは、順を追って教えて下さい。
「訪れたのは、中部地方の山奥の農村です。電車も通ってなくて、主要都市から車で3時間ほどかかる、かなりの僻地ですね。その村での祭りを調べに行ったのです」
──その村には、元々、何か性的なことに関する変わった噂とかがあったのですか?
「いえいえ。ただ単に、その地域一帯の文化に、弥生文化以前のアミニズム(精霊信仰)的な宗教色が色濃く残っているということで、その片鱗を調べていたのです。その村にも知り合いがいたわけではないので、飛び込み調査という感じでした。普通のフィールドワークの過程で訪れただけです」
──警戒されたりしませんでしたか?
「僕は、年齢の割りに幼く見えるせいか、人があまり警戒心を抱かないもので。人畜無害に見えるんでしょうね」

どこでもあるようなお祭りだとおもったのだが※写真はイメージ
──村は、祭りの時期だったのですね?
「はい。一年一度の。村の唯一の楽しみといった感じで。ウキウキとした空気が満ちていました。女性たちは大きな農家に集まって、朝から大量の料理を作っていまして、男性たちは集まって飲んだくれてといった感じです」
──楽しそうですね。
「はい。そこらかしこで、夫婦で怒鳴り合っていたり。『毎年 飲んだぐれて!!』『酒ば飲まねで、神輿が担げるべが』なんて(笑)。けっこう明るい開放的な土地柄でしたね」
──ハハハ。
「主婦たちは主婦たちで、『お目当て』がどうのこうのと言って、何やら脇腹を突き合って、ちょっと淫らな雰囲気があったかなって。今、思えばですけれど」
──男性たちと一緒にお酒を飲んだり?
「はい。僕はあまり飲めないんですが、そうも言えないので、飲まされましたね。それで......、実は僕は、女性の経験がなかくて、いわゆる童貞だったのですが、そこなんかもネタにされて......。『じゃあ、ちょうど祭りでよかったなあ』みたいなことも言われまして。そのときはピンと来なかったのですが」