福岡県警は19日、同県大野城市のアルバイトの男(52)を偽計業務妨害の疑いで逮捕しました。男は今月2月1日から12日にかけて、博多署の外線電話に、「俺はルパン三世だ」「警察はバカだ」「後ろに気をつけとけよ」などと、合計246回いたずら電話をしたという疑いがもたれています。調べに対し男は「警察には言いたいことがたくさんありますが、口悪く言い過ぎたと思います」などと容疑を認めています。
コイツらと話してるとこっちまでバカになる

写真はイメージです
ルパンと名乗るこの男。実は52歳にもなってただのアルバイトだったりする。アルバイトという気軽な身の上のために、相当時間を持て余していたのだろうか。寝る間を惜しんで働いている者にはとてもじゃないが真似できない芸当である。
だが、ヒマさの度合いでいえば博多署も負けてはいない。ルパンがかけてきたイタ電の回数を、正確に246回とカウントしちゃったりしているのだ。暇でなければできない芸当であろう。
だが、流石にルパン三世を名乗るだけの不敵さが、男にはある。
取り調べに対して反省するどころか、「警察にはたくさん言いたい事はありますが......」などと、なかなか挑発的な発言をしてくれるではないか。銭形のとっつぁんに詫びを入れると見せかけての、この憎まれ口。ルパンでなければ、こうはいくまい。
ルパンを名乗るくせに、怪盗らしきことは微塵もおこなっていないところも神経が図太い。名前負けもいいところではないか、と思うのだが、この52歳の男にそれを恥じる気配は一切ない。
しかも、やってることはイタ電だ。私がこの男の親なら、恥ずかしくて表を歩けないだろう。
だが、このイタ電、ルパン三世にでも手軽に出来る初歩的な嫌がらせの一つであるのだが、意外にも効果は絶大だ。つい最近も、私の知り合いがこの手の陰湿な嫌がらせに悩まされている、と耳にしたばかりだ。
もしかしたら、その犯人もルパンではなかったか。こういうことをやるヤツというのは、たいがい、同じような思考の持ち主だからである。
その証拠に、知人は私にこう話していた。
「最近は、バーカ、バーカ、死ね、死ね、なんて小学生みたいなことを言ってくるんですよ、まったく......」
お前は、小学生か! これも、自分のことを「ルパン三世」と名乗る感性と近いのではないか。
身も蓋もないことを言ってしまえば、お前らのほうがよっぽどバカだと思うのだが、知人にイタ電している男もルパンも、そこには気がついていない。
バカは自分がバカという事に気付かないからバカなのだ、と言うもんな。
不満や文句を人様に言う前に、まずはルパンもちゃんと定職に就くことが大事なんじゃないのか。
じゃないと、不二子ちゃんに見捨てられてしまうぞ!(いれば、ね)
沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。現在、本サイトで小説『死に体』を好評連載中。