会社が燃えていると聞いて、見に行った
『妄想を喰らう恐怖のキモ集団』
とのキャッチコピーをつけて「腐女子に喧嘩を売っている記事を掲載している」と、雑誌『封印発禁TV 素手喧嘩SP』(2月10日発行・ミリオン出版刊)を巡って、ネット上で炎上中である。
これはもしや、発行した「ミリオン出版」 VS 「逆上した腐女子」の素手喧嘩(ステゴロ)が目撃できるかもしれない! というわけで、九段下のミリオン出版社屋に行ってみた。
ちなみに腐女子とは、BL(ボーイズラブ)つまり男性の同性愛を好むオタク女子を指す言葉である。男女の恋愛や女性同士の同性愛を好む場合は、オタク女子であっても腐女子ではない。

九段下の大洋ビル内に本拠地を構えるミリオン出版。
ミリオン出版はレディース暴走族雑誌「ティーンズロード」やサブカルニュース雑誌「GON!」などを送り出した出版社で、ギャル・ギャル男の間で一世を風靡したファッション雑誌「egg」・「men's egg」も手掛けていた。
「egg」・「men's egg」は現在休刊となっているが、それ以前のリニューアル時にミリオン出版の管理ではなくなっている。その移管先が母体である大洋図書だ。ミリオン出版は大洋図書のグループ会社として、大洋ビル内にオフィスを持っている。
大洋ビル戦線異状なし

大洋ビル。さすが立派な自社ビルである。
しかし、残念ながら大洋ビル前での素手喧嘩勝負は見られなかった。静かなオフィスビルの日常があっただけである。エントランスを覗いてみても人影はなし。
ビルの前に複数のガードマンがいたため、彼らが不審者を追い払っているのだろうかと道路の向かい側から偵察してみたが、単に車の誘導をしていただけですぐに姿を消してしまった。
......正直、そうだろうと思う。ネットで炎上を煽る人間が、匿名の隠れ蓑を脱いで憎き相手に顔をさらすようなマネはしない。叩くならあくまでネット上というのが鉄則だ。ただ近頃は、ネットでの炎上が現実でも無視できなくなる事態が増えている。五輪エンブレムの取り下げ騒動などはネットの炎上が看過できなくなったいい例だろう。
大洋図書とミリオン出版も、自社サイトにて早々に謝罪文を掲載した。
当グループ会社の発行物について多くのお客様からお問合わせを頂きまして、ご迷惑ご心配をおかけしまして大変申し訳ございません。当社と致しましては、真摯に対応致すため、事実関係を確認しております。確認にお時間を頂き大変恐縮ではありますが、ご理解を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
— 大洋グループ公式(⊿ (@taiyohgroup) 2016, 2月 10
※大洋図書のツイッターコメントから
両者とも内容は似たようなもので、要約すると「たくさんのお問い合わせをいただいてご迷惑とご心配をおかけして申し訳ない。事実関係を確認中なのでちょっと待ってて」
といったところである。
このまま煙に巻いてうやむやにしそうな気配もあるが、それにしてもマイナーゴシップ誌のバッシング記事など掃いて捨てるほどあるのに、なぜこの記事だけがここまで叩かれるのか? 腐女子はそれほど恐ろしいモンスターなのか? というと、実はそうではない。
最大の問題点は、出版社サイドが謝罪文で触れていない部分に存在するのである。