定刻、江戸消防記念会の鳶頭による木遣りの声も高らかに、赤鬼・青鬼をはじめ、だいこく様・えびす様、雅楽を奏でる楽人、古式装束の神職に続き、氏子総代、特別崇敬者等年男代表が参進する。また、例年、アイドルや女優など、著名人も参加し賑わいをみせるイベントだ。
神田明神・節分祭
正月とバレンタインのあいだにある地味なイベント、節分。
若者受けしない「2番バッター」のようないぶし銀のスタンスは好感がもてるが、やはり、前のめりに楽しみたいイベントでは、正直、ない。そもそも、マメで鬼を迎撃する設定にムリがあるのではないか、と、つねづね思っている次第である。
だいたい、暴力と筋肉のみで組成されている鬼がマメごときにひるむだろうか? 金棒で屋根越えを連発されるのがオチである。マメが尽きれば、鬼の容赦ない暴動により壊滅状態に陥るのは必至だろう。コドモたちには、徹底した接待でもてなし、鬼に全力で許しを乞うことこそが唯一の「家内安全」である、と、教育するのがオトナの務めだといえるだろう。
まぁ、鬼が実在すればのハナシではあるが、親御さんたちには"鬼教育"を徹底していただければと思う。と、そんな、不人気イベントのはずである節分だが、神田明神でマメパ(マメまきパーリー)が催されるという。しかも、例年、アイドルや女優も参加するとか。美女にマメを投げつけられるのであれば、「鬼」になるのもやぶさかでない......。
そんなわけで、神田明神へ行ってみようと思う。
現場に到着。
すでに、ココロは鬼と化している。

境内では、赤鬼・青鬼が練り歩いており、

後方には、だいこく様・えびす様も。

さらに、声優の今井麻美さんや燃える闘魂っぽいヒト、

なぜか、寅さんっぽいヒトや丹下段平っぽいヒトの姿まで......。

そして、アイドルとおぼしき御一行さまも参列していた。眼福。

お練りが終わり、いよいよ豆まき式がはじまった。

クモの糸からカンダタを引きづり落とそうとする罪人のごとく鬼のような形相をした群衆。境内は地獄絵図と化していた......。モチロン、オレも地獄ピーポーである。
進行の合図で一斉にマメが投下され、ヒラリヒラリと宙に舞うマメを地獄先生のごとき「鬼の手」でもぎ取った......

と、思ったら、アメだった......。
ガックリうなだれた視線のさきには、なんと、福豆が......。

すかさず、鬼のようなスライディングキャッチでかすめ取ったしだい。
コレを機に、窒息するほど、わが身に福が押し寄せてくれればいいのだが......。
(取材/文=コウノモトウ)