2009年7月、大阪市此花区のパチンコ店にガソリンをまいて放火し、客や店員5人を殺害したとして、殺人などの罪に問われていた高見素直被告(48)の死刑が確定しました。弁護側は「妄想や幻聴の症状が続いていて、十分な責任能力がなかった」として減刑を求めていましたが、最高裁の山崎敏充裁判長は「人の出入りが多い日曜日のパチンコ店を狙った計画的な無差別殺人で結果は重大であり、死刑を認めざるをえない」として弁護側の主張を退けました。
日本の裁判制度に元極道が物申す

写真はイメージです
当然といえば、これほど当然な話はない。
新たな仕事が見つからず、それを世間のせいだと思い違いしてしまって、火を放ったのか、パチンコに負けてイラっとしたのか知らないが、動かしようのない事実がそこにはある。
どのような動機があったにせよ、まったく無関係な人の命を5人も高見は奪ってしまっているのだ。死刑以外の選択肢がどこにある?
そもそも、死刑を確定させるまでに7年という歳月をつぎやしていること自体が問題じゃないのか。7年もかけなければ、司法には死刑という解答が導き出せなかったのか。
そんなことはない。誰もが分かっていたはずである。取り調べにあたることのない留置場の担当でさえ、「このアホは、首くくられるな」と予測していたはずである。
死刑の判決を確定させるには、慎重に、かつ丁寧に、事実を解明していかなければならないのもわからなくもないが、だが殺された被害者の方々には、そんなことはまったく関係ない。
最高裁まで引っ張ったということは、のうのうと高見の寿命を延ばしてやっただけのことではないのか?
挙句、死刑が確定したからといって、すぐに吊るされるわけじゃない。高見にこれ以上の寿命を与えてやることに、どんな意味がある?
それなりに未決暮らしをノンビリやらせるだけではないのか。
まったくもって関係のない話であるが、パチンコ店がらみの話で最近の私のエピソードを一つばかし聞いていただけるだろうか。
私は、基本ギャンブルをしない。過去には、一応いろいろなギャンブルを嗜みはしたが、今はほぼしない。
そんな私が魔が差してしまったのであろうか。本当に少しの金額だけで、気分転換がてらパチンコ店を覗いてしまった。
で、勝ってしまった。
それでまた出掛ける。そしたら、また勝つ。
だからまた出掛けてしまう。またもや勝ってしまう。
段々こっちも本腰入ってくるわな。
そしたらだ。なんと2万3千円も負けてしまったではなないか!
挙句に雨が降っていたので傘をさして行っていたのだが、その傘までパクられてしまってびしょ濡れ、というオチまでつけられてしまった(すげえスケールの小さな話でスマヌ)。
知り合いにこの話をすると、「傘はパクられるもんじゃなくて、パクるもんやで~」とさも当たり前のような顔で言われてしまったのだが......。
犯人に告ぐ! 傘かえせ!
生まれて初めて傘をパクられてしまった、という、どうでもいいお話でした(私には、どうでもよかなかったのだが)。
沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。現在、本サイトで小説『死に体』を好評連載中。