男心をソソるものは胸の谷間やパンチラよりもガッツリな飯だ。女体盛りよりも飯の山盛りのほうが愛おしい......。そんなガッツリグルメ愛好家のオススメの逸品を紹介していく。
横浜で台湾おふくろの味を喰らう
今回はガッツリといっても量そのものではない。何というのだろうか。『精神的ガッツリ』とでも言いましょうか。
それは、神奈川県横浜市の某所・風俗街の近くにある『K』という台湾料理店である。
台湾料理......「コレだ!」とパッと思い浮かぶものってありますか?たぶん、中国料理と換わりないと思われる方も多いでしょう。自分もそうでした。
しかし、台湾通いわく
「"ルーロー飯"は、おふくろの味」
とのこと。つまり、台湾ならではの味だというのです。
『ルーロー飯』とは、魯肉飯と書いて、簡単に説明すれば台湾式肉かけご飯のことだ。豚肉を醤油やスパイスで煮込んだものを白飯の上にぶっかけて食べるものだ。
さて、なぜ『K』のルーロー飯が精神的ガッツリ飯なのか?まず、量自体は普通だと思う(あくまでも我々基準)。ただ、豚ひき肉を煮込んだルーロー飯の要ともいえるものがガッチリかかっているのは納得だ。本来、これだけでルーロー飯は成り立つものだから。
しかし、ここに大きな豚の角煮が乗っているではないか!しかも2個!さらに煮玉子が1個丸々と!そして、脇を固めるように高菜の漬け物があり、結局、どんぶりにたくさん、というテイになってしまっている。
この時点でルーロー飯としてはガツ盛り状態だ。と、いうのも、本場の台湾では普通の茶碗に供されるからだ。これは他の料理と食べることが前提であり、強いて日本の食事に例えるのであれば、ふりかけご飯のような感覚だろうか。それゆえに、この店のようにどんぶりに入って出てきた時点でガッツリであり、ふりかけご飯を特盛で食べるようなものなのだ......たぶん。
まぁ、ふりかけご飯にしては、肉の脂が胃にガッツリきて離さないパンチの効いた味ですが......。
そして、なぜ、"精神的ガッツリ"なのか?実はこの量でワンコイン!つまり、500円なのだ。この価格で満たされるから、私は精神的ガッツリグルメだと主張したいのだ。
ホントにいいの?この価格でいいの?そう思いながらいただくのが、このテのワンコイングルメの醍醐味だろう。私自身も一口食べるごとに「ホントにいいの?」とつぶやきながらいただいた。そして、最後のほうは「もう一杯食べていい?」と自問自答するほどの美味しさであった。
(取材/文=三戸玲)