>  > 電話1本でソムリエの厳選した覚せい剤を自宅まで配達してくれる街、その街の名は......
元極道の異色作家・沖田臥竜のニュース解説  「プロ」はニュースはこう読む!

電話1本でソムリエの厳選した覚せい剤を自宅まで配達してくれる街、その街の名は......

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兵庫県尼崎市で違法薬物を密売していたグループの男女8人が逮捕されました。グループは覚せい剤やコカイン、向精神薬などの密売で、少なくとも2億円を売り上げていたとみています。兵庫県警によると、首謀者は「社長」と呼ばれていた元暴力団員の増田勝巳容疑者(50 大阪市西淀川区在住)。増田容疑者は、覚せい剤の仕入れ先だったイラン人との取引現場に、グループ内で「ソムリエ」と呼ばれていた男2人を同行させ、実際に覚せい剤を注射させ、味見した上で購入していたといいます。そして購入した覚せい剤は増田容疑者が電話で注文を受け、増田から指示を受けた「番頭」がパッケージに詰め、「配達役」の女2人が自転車で配達していたとのことです。


気が付くと街に増田が増殖!?


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写真はイメージです

 尼崎という、まったくもって金が落ちていない街で億の金を弾きだしたことに驚愕を隠しきれない。噂がたたないように商売をしていたというが、実際、この密売グループが逮捕されるまで、話すら聞いたことがなかった。

 だが、この事件を教えてくれた知人から「増田という男を知っているか?」と聞かれたときに、急にある記憶が蘇った。「増田って......西淀川区のか?」と聞き返すと、知人は「そうだ」と言う。やはりそうであったか。

 直接の面識はない。だが、違う件の話で、10数年前にこの「増田」という姓を耳にしたことは、確かにあった。ある増田という男とこぞって養子縁組を交わすグループがあったようで、一時、尼崎には増田の性を名乗る人間が多く存在したからである。

 もしかすると、今回の増田容疑者も、その増田氏と養子縁組を交わした者のグループなのだろうか、と思うのだが、今のところは判別つかない。

 それにしても、私の地元である尼崎で、本当にそこまでたくさんの「覚せい剤の患者さん」がいたのであろうか。いたのであろうな。実際、億の金が押収されていたことを見ると。わからないものである。

 ところで、このグループは、配達の際、自動車ではなくチャリンコの機動力を駆使していたようであるが、たかがチャリンコとあなどるなかれである。かりに警察官に追尾されても、スタートダッシュさえ上手くいけば意外に捕獲されにくい。パトカーでは、まず小道に入らると無理であろう。なかなか知恵者がいたようだ。

 また、ソムリエとは、なかなかのネーミングではないか。ただ試しうちをソムリエとは。ものは言いようだ、と感心してしまう。

 ほかにも、「社長」に「番頭」、「配達役」がいた、というところもいい。さながら、裏社会の工務店である。

 尼崎で育ちながら、そんな金が埋まっている街だとは知らなかった──て、問題ではない。<私が生まれ育った街に覚せい剤を広めるのだけは、やめてもらいたい




沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。現在、本サイトで小説『死に体』を好評連載中。