>  > 子どもを捨てる親たち――― ド底辺子育ての現実

子どもを捨てる親たち――― ド底辺子育ての現実

この記事のキーワード:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今月の9日狭山市で痛ましい事件が発覚した。20代の若い夫婦が3歳の幼子の火傷を放置し、死に至らしめたのだ。近年、児童虐待のひとつであるネグレクト(児童遺棄)が注目されている。狭山市の事件のように遺棄され、衰弱死する子ども、逮捕される親......。しかし、被害は一向に減る気配はない。しかも世間で騒がれるのは子どもが死亡した場合のみで、その裏には何千何万という育児放棄された子どもたちが存在する。いったいなぜ、彼らは我が子を育児放棄するのだろうか? 聞けば聞くほど無残な子育ての現実がそこにあった。


jido-1.jpg

ケース1『アリサ(仮名)28歳・風俗嬢』


現在、小学校低学年の男児を施設に預けているアリサ。施設に入れるまで、アリサは子どもを家に起きっぱなしにして生活していた。

──子どもの生まれるまでのいきさつは?

「私、外国の男の人が好きで、外国人と遊び回っていたんですが、ある時、黒人の子どもを妊娠してしまい、それがいまの子どもです。子どもができたって男に言うと、連絡がつかなくなって......」

──住所とかは分からなかったんですか?

「はい......、いつも携帯で連絡を取って遊んで、ホテルに行ってという感じだったので、住所を知らなくて。実は、フルネームも知らないんです」

──住所もフルネームも知らない黒人の子どもを妊娠......。堕ろすという選択はなかったのですか

「はい。大事な命ですから、この手で殺すなんて絶対にできません」

──生んだ後は?

「妊娠中に新しい恋人ができて、彼の家に赤ん坊と一緒に転がり込みました。でも、出産後、キャバに働きに出たら、ほとんど外にいる感じになって、赤ん坊は家に置きっぱなしになっちゃって」

──保育園に入れたりとかは?

「う~ん。私、朝が弱くて。それに子どもがいるせいでアフターも同伴もしにくくて、思ったように稼げなくて。保育園代も結構高いし......。で、稼げないからデリヘル勤めにしたんです。デリヘルだと子どもの待機所もあるし」

──ひと安心ですね。

「でもそしたら、そこのデリヘルの店長とできちゃって。それで、その彼が、私が子どもつれて来るのを嫌がって、それでまた家に置いておくようになって」

──家には同棲相手がいるんですよね?

「はい。でも全然、子どもの面倒見てくれない男で。私は、帰ったときは、かなりベタベタに可愛がるんですけどね。やっぱ、新しい男ができちゃうとどうしてもね......」

──その後は?

「そのデリヘル店長とうまくいかなくなって、精神的にまいっちゃって、オーバードーズとかリスカとかしちゃって。その間は、もう全然、子どもが隣にいたかどうかもよく覚えていない状態で......」

その後、見るに見かねた知人が、アリサの母親に連絡をして、子どもは施設に保護される事になった。アリサの子どもは同年齢の子どもの平均身長を大きく下回り、栄養失調状態でやせ細っていたという。現在、小学生となった男児はトラウマから、精神的な問題を抱えているという。アリサは風俗勤めをしながら海外旅行などをして、延び延びと人生を謳歌している。