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横浜市栄区在住の60代女性が安アパートで同居していた「モノ」

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5日午後2時すぎ、横浜市の栄区役所に生活苦の相談に訪れた60代の女性が、職員に「数年前、寝たきりだった旦那が亡くなったが、お金がなくてそのままにしている」と話したことから、警察が女性のアパートを確認したところ、60代の男性とみられる白骨化した遺体が発見されました。


女性から話を聞いた役所の職員はビックリ仰天


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写真はイメージです

 生活費に困り果てた女性の身の上話に付き合っていたら、まさか「死んだ夫の遺体を自宅に放置してある」などと言われた栄区の職員さんもびっくりしたであろうな。

「数年前に夫が亡くなり、生活が苦しい」というのなら分かる。でも、「自宅にそのままにしてある」と言い出されては、確実に「えええええっっっ!!!」であろう。

 葬儀を出したら、費用がかさむと心配になったのだろうか。生前はずっと寝たきりだった、というから、身体も相当悪かったに違いない。医師に診せるお金もなく、頼る親族もいなければ、そのような経緯をたどったとしても、それほど不思議なことではないかもしれないが、どうせならもっと早くに役所に相談すべきであった。

 そういう時のための、生活保護制度であろう。があるのではないか。60歳を越えた男性が寝たきりなのだ。国が保護してやらずにどうする。こうなる前に、なんらかの方法はなかったのであろうか。

 この女性は、夫が亡くなった時、どういう心理状況にあったのだろうか。疲弊しすぎていて、哀しみに暮れるというヒマすらなかったのだろうか。昭和の時代には、このような貧困の末の死も珍しくなかったように思えるが、高齢化社会が進んだと言われる平成の時代も、社会の片隅には、まだまだこのような死も残っていると思う。

 これから、ますます高齢化は進む。マイナンバーの導入も良いが、そんなことをする前にもっと足もとを見て考える必要があるのではないか、という気がしてならない。

 警察はこの老女に保護責任者遺棄を問うかもしれないが、身体を拘束したりせず、調べが済んだあとは、できればちゃんと生活保護を受けさせてやるくらいの思いやりがあったらうれしいのだが。




沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。現在、本サイトで小説『死に体』を好評連載中。