>  > ガサ入れで自宅から拳銃、実弾5発、覚せい剤20グラムが出てきた「会社役員」の勤務先は?
元極道の異色作家・沖田臥竜のニュース解説  「プロ」はニュースはこう読む!

ガサ入れで自宅から拳銃、実弾5発、覚せい剤20グラムが出てきた「会社役員」の勤務先は?

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自宅で拳銃や実弾、覚せい剤を所持していたとして、警視庁綾瀬署は19日、会社役員の向盛雄容疑者(42)を逮捕しました。向容疑者は去年5月、「注文したテレビに傷が付いていた」と配送員の男性を脅迫したとして被害届を出され、家宅捜索を受けた際に拳銃1丁と実弾5発、覚せい剤約20グラムが見つかったとのことです。取調べに対し、向容疑者は「拳銃は10年前に知人から預かった」などと容疑を認めています


チャカにシャブ、盛りだくさんすぎるやろ


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写真はイメージです

 タダモノではない匂いがプンプンする向容疑者。肩書きがただの"会社役員"で、自称~をつけられていないところをみると、よほどしっかりとした会社の役員さんなのだろうか。私など、確実に自称をつけられる側の人間だというのに......。

 そんな大手メディアが認めた立派な役員さんだというのに、だ。注文したテレビに傷がついていたことには大激怒されたようである。配送員が被害届を出し、警察もそれを受理したくらいだから、相当なカマしを入れたのであろう。もしくは、傷がついていなかったのにもかかわらず、覚せい剤のせいで、傷がついているように錯覚してしまった、とか?

 だって覚せい剤の所持量が20グラムもあったんだろう。いくらなんでも、自分一人の「イキシロ」にしては、かなり無理が生じる量である。流行の言葉でいうと"爆買い"してしまったのであろうか。

 まあ爆買いはともかくとして、覚せい剤事犯に対する当局の姿勢としては、所持量が5グラムをこえると、なんやかんやと営利目的に持っていきたい側面が昔からある。覚せい剤を、営利以外の目的で所持したり使用したりしていた場合は10年以下の懲役と定められているが、営利の目的で所持していた場合は20年以下の懲役と重くなり、さらに500万円以下の罰金も科される可能性がある。できるだけ罪を重くしたい当局側と、軽くしたい被疑者との丁々発止が全国の警察の取調室では日々、繰り広げられているのである。だいたい20グラムも所持していようものなら、当局側も場合によっては、伝家の宝刀「認定」を抜き、容疑者の供述に一切耳を傾けないケースさえ十分考えうる。

 覚せい剤20グラムとは、それほど悪質な量なのである。それだけでも、かなり厄介な取調べが予想されるのだが、なんとなんと実弾付きのピストル、いわゆるチャカまで出てきてしまったというではないか。チャカの罪の重さは、シャブの比ではない。「注文したテレビに傷が付いていた」とかいう当初の脅迫なんぞ、警察も記憶から薄れて忘れてくれるんじゃなかろうか。あまりにも可愛い過ぎて......。

 ただし、今回のこの容疑者の銃刀法違反には、いささか納得できない。それは、向容疑者は「拳銃は10年前に知人から預かった」などと容疑を認めているという当局サイドの発表である。「10年前に知人から預かった」と言っとるのだぞ。ちっとも容疑を認めていないぞ。というか、むしろ否認ではないか。自分のではない、と言っとるのだから。

 もう数年前に亡くなってしまったが、沖縄ヤクザ戦争で名を馳せた私の元身内など、同じようにチャカで警察に挙げられて、道具(拳銃本体)から指紋まで採取されているにもかかわらず、最後まで自分のものと認めなかった。業を煮やした検察が、法廷内でそのチャカを突きつけながら、「だったら、これは一体誰の物なんですかっ!」と怒鳴ると、なんてこたえたと思う。

「お前が持っとるねんから、お前のやろが!」

 これを聞いた裁判官が呆れ果てたことは言うまでもない。だが、「知人から預かった」だけで所持の容疑を認めたことになるのならば、知人から拳銃を取り上げて法廷に持ってきた検察官だって立派な所持ではないのか(ま、無理ある主張か......)。

 覚醒剤は20グラム、家にガサをかければ、子供つきのチャカまで出てきてしまっているこの役員さん。なにより気になるのは、そんな人を役員に据えてる会社って、一体どういう会社なのであろうかというところである。そんな人でも役員になれるのなら、私も役員にしてもらいたいものだ。シャブもチャカも持っていないけれども。




沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。現在、本サイトで小説『死に体』を好評連載中。