>  > 正月早々、さい銭泥棒で捕まった50代無職兄弟に神仏のご加護はあるか?
元極道の異色作家・沖田臥竜のニュース解説  「プロ」はニュースはこう読む!

正月早々、さい銭泥棒で捕まった50代無職兄弟に神仏のご加護はあるか?

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新年1月2日、兵庫県警宍粟署は、同市一宮町下野田の西林寺のさい銭箱から金を盗もうとした宍粟市の無職男(59)と、無職の弟(52)を逮捕しました。と発表した。2人は「お金がなくて年越しに困っていた」と容疑を認めています。


来年は拘置所、刑務所を目指せ


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写真はイメージです

 よかったではないか。これで無事、暖かく正月を送れたではないか(留置所で)。これも神様か仏さんのご加護のおかげか。3食食わせてくれて、昼寝までついてくるのだぞ。言うことなしだろう。ま、この兄弟を生んだ親御さんは、さい銭泥棒をさせるために育ててきたわけじゃないであろうが......。

 しかし、このドン臭い兄弟。目の付けどころは、決して悪くないと思う(人道的には、かなりの罰あたりであるが)。初詣でたまった賽銭を、

「おいっ、兄ちゃん! こンだけ初詣で金を放りにきてんだ、賽銭箱の中には金がわんさかあるんじゃないのか!」

「流石は我が弟よ。頭すこぶる涼しきヤツである。さっそく、兄ちゃんが賽銭箱をひっくり返してきてやるから、テメーは見張ってな!」

「ガッテンだ!」

 的な兄弟会議を開催し、犯行に及んだのだろう。しかし、頭の回転は足りなかったようである。

 初詣で賽銭箱には、通常よりもお金が入っている。そこまでは理には叶っている。だがそうするとどうなるか。必然、監視の目が鋭さを増すのである。そこが、わからなかったのであろう。

 でも、冒頭でもふれたように、ご利益はバッチリである。金がなくて年越しに頭を悩ませていたバカ兄弟(無職)の願いを叶えてくれているのだから。

 ちなみに、塀の中で送る年越しで、一番しょぼくれているのが、留置場である。

 刑務所に限らず、起訴され拘置所に移送されると、三が日やおおみそかには、なにかしら特別食が配給され、おせち料理まで食べさせてくれる。

 とはいえ、残念ながら留置場だけは、その恩恵にはあずかれない。ほぼ平日と大差のない食事しか出してもらえない。おおかた冷えきった仕出し弁当あたりがせいぜいだろう。

 だが、バカ兄弟(無職)よ。あきらめる必要はない。来年も再来年もあるではないか。何度となく、果敢な姿勢でさい銭ドロにチャレンジしていけば、いずれは、起訴され刑務所の中で年を越すことができる。向こうなら年越しの蕎麦も出るぞ。インスタントのカップ麺だけど。
 
 しかし、贅沢にも、「それだけは勘弁」と言うのであれば、悪いことは言わない。兄弟で力を合わせ、職を探すところからはじめてみてはどうか。




沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。現在、本サイトで小説『死に体』を好評連載中。