>  > 大阪府摂津市でひき逃げ事件を起こした24歳のドライバーの呆れた言い訳
元極道の異色作家・沖田臥竜のニュース解説  「プロ」はニュースはこう読む!

大阪府摂津市でひき逃げ事件を起こした24歳のドライバーの呆れた言い訳

この記事のキーワード:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

昨年12月、大阪府摂津市で、交差点を横断中の自転車に乗った男性がひき逃げされて死亡した事件で、大阪府警はトラック運転手の横井大輔容疑者(24)を殺人と道交法違反の容疑で逮捕しました。調べに対し横井容疑者は「自転車は引きずったが、人とは認識していなかった」と容疑を否認しているといいます。


運送業界がシビアであることはわかるけど


okita_news_20160106_03.jpg

写真はイメージです

 確かにトラックの運転手というのは過酷な仕事である。私もドライバーの経験はないが運送業には携わってきているので、その実態は多少なりとも理解している。とてもじゃないが、あの手この手の裏ワザを使わない限り、運送業が労働基準法にのっとった実働時間で業務をこなすことは不可能に近いだろう。

 もちろん、労働基準法を守っている業者だってある。ただ、そういう業者はドライバーに支払う賃金がおしなべて(違法な業者と比べたら)低い。だから、拘束時間が違法に長いことを承知した上で、稼ぐために少しでも長く走らせて欲しい、と自ら会社に申し出るドライバーも多い。

 そういったドライバーからの申し出につけこみ法外に稼いでいる業者もあれば、自ら申し出ておいて「ウチの事業所はドライバーに違法な労働を強いている」と後から労働基準監督署に訴え、会社から莫大な和解金をムシりとろうと企むドライバーも存在している(こういう輩に引っかかり、会社をたたんだ運送業社を私はいくつか知っている)。運送業界とは海千山千、魑魅魍魎はびこる世界なのかもしれない。

 とはいえ、お金を稼ぐためには、どんな仕事でもそうであるが、否が応でも疲労が蓄積されていく。この24歳のひき逃げ犯も、疲労を溜め込みまくった末の運転ミスだったかもしれない。が、そうであったとしてもだ。自転車を引きずり倒しておいて、「人とは認識していなかった......」の詭弁は通らんだろう。

 そもそも、自転車だったとしてもだ、引きずった認識があったのなら、普通はトラックから降りて確認しないか。人をひいたら車から降りるが、自転車だったら行っても良し、という話でもないだろう。逃げたのは、なんらかの後ろめたさがあったからこそではないのか。というか、誰が聞いても、そうとしか思わんだろう。

 仕事中の事故である。本人も災難だったかもしれないが、亡くなられた被害者の方はそれどころではない。もしも彼が現場から逃げずに救命処置を施していれば、被害者の方も命を失わずに済んだかもしれないからだ。

 酷な言い方かもしれないが、殺人の科(とが)に問われても仕方ないのではないだろうか。

 話は変わるが、私の周囲の者で、常に意識を宇宙へと逃避行させている通称コスモも先日、ひき逃げ事故を起こし、今では実家も兼ねている塀の中へと帰っていった。

 幸いにしてコスモの場合は、相手側がそこまでの重傷ではなかった。どちらかというと車を棄て、現場から走って逃げたコスモのほうが重傷だった。

 自ら病院に駆け込んだコスモ。そこに、お巡りさんが訪ねて事情聴取。コスモは常日頃から宇宙で暮らしているようなヤツなので事情聴取もさぞかし困難を極めたらしいが、ひき逃げ事故だけは、あっさり自供したらしい。

 だが、あいにくと重傷の身。すぐに留置場に放り込める身体ではなかったので、警察は逮捕を退院まで待つことにした。そして、退院と同時に逮捕されたのだが、入院中に彼のサプリメントである覚せい剤がコスモの身体からは消え去るという幸運?に見舞われてしまったというから残念である。

 現在、コスモは、「おクスリもでんかったし、ションベン刑や~ラララのラ~」などとアホなことを言いながら、留置場ライフをエンジョイしているらしい。もちろん、宇宙へと逃避行を繰り返しながら......。




沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。現在、本サイトで小説『死に体』を好評連載中。