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精霊の棲む森「ムーミン公園」で遠く離れたスオミに空想旅行を

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時間の流れが違う空間


 その「ムーミン屋敷」には川が流れ、水車があり(川というよりかは沼のようだが)、中には錦鯉がたゆらかに遊泳中。この錦鯉だけ純和風で、東映映画の菅原文太の背中を思い出すが、生き物が生息する環境はドロドロしたものなんですよ、というこの世の真理を提示しているのかもしれない。
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 フィンランド人は、自らの国を「スオミ」と呼ぶ。本国での呼称だ。
 そしてここが面白いのだが、「スオミ」は普段「フィンランド」や「フィンランドの」という意味で使われるが、本来は「湖沼」の意だというのだ。アニメ「ムーミン」を見ると、必ず湖が出てきて、スナフキンが釣り糸を垂らしている。妙にのっぽなスニフが駆け回ったり、意地悪顔のミィやミムラ姉さんもアニメには登場するが、「ムーミン公園」には過剰なムーミンキャラのモニュメントはない。この公園で一番評価したいところはこの点なのだ。この公園の設計者がそれをすべて踏まえた上でデザインしたのだとしたら、賞賛の拍手を送りたい。誰もが、毎週末ジェットコースターに乗りたいわけではないのだ。

 ムーミンの登場人物すべてが精霊だといわれており、目に見えなくて当然。それぞれが心の中にムーミンの登場人物や、その他の好きなキャラクターでもなんでも、思い浮かべればいい(「おしゃまさんの、ぐるぐる回すと音がなるモニュメントはあってもいいかな」とは思ったが)。

 ざっと紹介したが、これは「ムーミン公園」のあくまで序章。遊び方も時間の潰し方も人それぞれ。隠しポイントとして、結構山を上の方まで登れたりするかも!?

 今は紅葉が綺麗だが、山と川に囲まれている自然豊かな地域なので四季の彩りを楽しむことができる「スオミ・パーク」。帰りの出口でまだホッケーの試合がやっていたら、
「おう! いけ! おう! あう!」と応援しつつ、帰路に着くのも楽しい。


(取材・文/須藤鑑)


須藤鑑(すどう・あきら)。1974年、埼玉県大宮市生まれ。物書き。音楽をはじめ、大衆芸能や庶民文化に関する原稿を書いている。トークイベントなどにも多数出演。雑誌「TV Bros.」(東京ニュース通信社、みんみん須藤名義)他で連載中。twitter→@minminsudo