日本中のヤクザが警察に踊らされた!?
──司組長の言う「異様な時代」は続いているということですね。
宮崎 はい。今回の分裂には、暴排や不況などさまざまな要素がありますが、最も大きな影響を与えているのは、警察だと思います。
──具体的には、どういうことでしょうか?
宮崎 今回の分裂は、警察が山口組内の「不満」をうまく利用した気がしてなりません。

「弘道会の弱体化なくして~」は2010年5月31日の全国警察の本部長を集めた会議席上における安藤隆春警察庁長官の発言
以前から警察庁は司忍六代目組長や高山清司若頭らの出身母体である弘道会を敵視し、「弘道会の弱体化なくして山口組の弱体化なし。山口組の弱体化なくして暴力団の弱体化なし」を掲げてきました。
弘道会を潰すには、どうすればいいかを考え、抵抗勢力である山健組に着目したのではないでしょうか。
離脱の中心となった山健組の弘道会に対する不満を警察が煽るような「情報操作」があったとしてもおかしくないと考えています。
報道では、離脱を表明した8月27日、離脱側の組長らが、警察当局側に経緯を説明に行ったとありました。これも、かつてはなかったことです。
そもそも離脱とは、唐突に起こるものです。事前に漏れれば、阻止する動きも大きくなるからです。
しかし、今回は8月20日を過ぎたあたりから「山口組が割れそうだ」という噂が急速に広まりました。
誰がどちらの組につくといったようなさまざまな憶測が飛び交い、意図的に尾ひれをつけて流されているのがミエミエでした。その中には「警察発」とされる「情報」も多く、不自然だなあというのが感想でした。