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俺の、最後の獄中絵日記 第255回

その時、看守のあとをついてたのは...

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらい月形刑務所で服役中だった後藤武二郎は、ある日、たまたま目にした職業訓練募集の張り紙に深く考えず応募したところ、まさかの当選。住み慣れた北海道を離れ、九州は佐賀少年刑務所へ移ることになってしまった。

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怪奇

2013年(平成25年)9月20日

府中に務めている時だった。
確か雑居に6〜7人で生活している夜にその不思議な現象は起きた。
飯を食い終わって仮就寝。
皆、布団を敷いて横になり、テレビの始まるのを本を読んだり同囚と会話したり、またはボーッとして待っている。
その中でボーっと宙をにらんだままの者が俺を含めて半分ぐらいいたんだよ。
俺は廊下側の窓を見つめたまま考え事をしていた。
廊下は見回りのオヤジが舎房内を見やすくするため電気が消してある。
そこへまあ、いつも通りに何分かに一度窓の外を見回りのオヤジが通るのを無意識のうちに俺は見ていた。
その数秒後。

部屋の一人が皆に問いかけるように言った。
「今の見た?!」
すると別の一人が
「今行った懲役のこと?」
すると
「昔の懲役の服着てたよな?」
「帽子もかぶってた」
2人の意見はピタリと合う。
腑に落ちないのは、その懲役はオヤジのすぐ後を歩いていたのだという。
普通刑務官は懲役には前を歩かせる。
後ろから襲いかかられないためだ。
だからそれは絶対ない。
昔の茶テンの帽子も服も使われていないのだからなおさらおかしい。
しかもその懲役は体が透けたようで歩くというより滑っていった感じだという。
俺はずっとオヤジには気づいていたが、そんな懲役は見えなかった。
そんなのは絶対いなかったのだ。

これはどういうことなのか今も謎だ。

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