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週刊金曜日ルポタージュ大賞佳作受賞の山口祐二郎が激白! 在特会が衰退し、今後のカウンターはどこへ向かうのか!?

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僕は僕のやり方で差別を闘っていく


山口  その件については、今でも僕はまったくぶれていないですね。元だろうが、現役のヤクザだろうがカウンターをするべきだと思っていますよ。大体、僕の経歴や現役ヤクザとも交友関係があるのを知っていて一緒にカウンターをやっていたのに、急に手の平返したように批判されましたからね。まあ、昔から僕は悪目立ちをしていたので、不満は持たれているのを感じていました。

── 現役ヤクザはともかくとして、工藤さんは元関東連合なのに駄目なんですね?

山口 矛盾してるんですよ。カウンターに共産党員も参加してますが、それはOKなのかということです。共産党は過去に人殺しもしてきた政党ですし、いまだに公安にマークをされている。なぜ現役の共産党員が良くて、元関東連合が駄目なのか僕には分かりませんね。共産党員だろうが関東連合だろうが怒羅権だろうが、カウンターすれば良いんですよ。C.R.A.C.は運動体として僕が邪魔になり切り捨てたかっただけでしょう。でも僕は、一応所属はしていたけれどC.R.A.C.としては全く動いていなかったんです。実際のところ、僕が結成をした『憂国我道会』や『男組』としてカウンターをしていたのでC.R.A.C.脱退はどうでも良かったですね。辞めても、特に何も変わりはありませんでした。

── 山口さんを強く批判していたC.R.A.C.との関係はどうなんでしょうか?

山口 別に現場で顔を合わせても何も言われないですよ。僕は僕のやり方でカウンターをするだけです。C.R.A.C.はC.R.A.C.のやり方でやればいい。

── しかし、どうして山口さんはそこまでヒールにこだわるのですか? C.R.A.C.みたいにクリーン路線に転向した方が世間受けはすると思います。カウンターをするに際し、世間に理解してもらうのは必要なことじゃないでしょうか? こんなことを言うのはあれですが、本も出していますし、せっかく受賞したのに勿体無いと思います。

山口 それは色々な人に言われました。けれども、僕は数多くの悪いことをしてきました。そして沢山の女性を騙して金を巻き上げてきました。そんな僕がいまさら善人面できるわけがないでしょう。というか、善人面したくないんです。良いイメージの活動だったら他の誰かがやってくれますしね。僕にとって大事なことは、いかに差別主義者にダメージを喰らわせるかということです。世間の理解なんざ得ようとは以前からもこれからも考えていません。

── しつこくてすいません。差別主義者にダメージを与えるのと、世間への理解を得ていくこと両方をやっていけば良いんじゃないでしょうか? どうしてアウトローにそんなにこだわるのでしょうか?

山口 別に、僕はヤクザだったこともないですし、アウトローにこだわっているつもりはないんですけどね。ただ、ヤクザになるしか選択肢がなかったような人はいます。そして僕は、差別を受けてヤクザになるしかなかった一部の在日朝鮮人の存在を知っているんです。実際に、在日朝鮮人の有名なヤクザの親分さんで、そういった告白をされている方はいます。僕はどうしてもその方々がヤクザになった経緯を否定できないです。もちろん、悪いことをした人間を擁護するわけではありません。ヤクザだってカタギと同じ人間なのだから、悪いことをしたらカタギと同じく平等に法律で裁けば良い。ヤクザだから排除するという、昨今の社会的風潮には反対ですね。

── カウンターにヤクザが関わったら格好の叩かれる的になると思いますがそれはどうでしょうか?

山口 叩かれてなんぼでやるのがアウトローだと思います。攻撃がこちらに向けば、傷つく人が減りますしね。それと、社会的地位がある人は、カウンターをしていて個人情報を晒されたり職場に嫌がらせを受けたりして仕事を失ってしまった人もいます。アウトローだったら、そんなの関係ないですからね。はっきり言えば、ヤクザの人が結果を出していますよ。男組のトップ、高橋直輝組長は元ヤクザだし、新大久保のコリアンタウンで差別主義者がデモをできなくなったのはカウンターの成果がすべてじゃない。僕がお世話になっているコリアンタウンにシマを持つ、有名な親分さんが動いてくれたのがありましたね。

── と、なるとカウンターは差別に反対しておきながら排他的な集団になっているのでしょうか?

山口 カウンターというか、C.R.A.C.がですが、それは思いますね。身内ネタになってしまいますが、僕がリスペクトをしている清義明さんや凛七星さんのことについても、批判をしているのを見て疑問を感じます。清義明さんは桜井誠と相討ちの逮捕劇を起こし、初めて桜井誠が捕まり本名、高田誠だと報道で出させた人物です。また、凛七星さんは在日朝鮮人で、カウンター初期から関西で『友だち守る団』を結成し、身体を張って闘ってきた人間です。2人とも酒飲みだし、人間的には問題あるかもしれませんが、カウンターで結果を出してきたのは間違いありません。そういった人間を、持ち上げる時だけは持ち上げ利用して、都合が悪くなったら切り捨てるというのはクソですよ。結局、差別主義者にダメージを与えるという本質の目的を忘れてしまっているんでしょうね。


── 必要なくなったら切り捨てるというのは、政治の世界ではよく聞く話ですね。凄く嫌な印象を受けます。

山口 確かにそうですね。汚い世界ですよね。カウンターは色々な人が色々な想いで色々なやり方でやっています。みんな、金太郎飴みたいに同じだったら変ですよ。

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『奴らを通すな!』刊行/ころから

―― 山口さんの著書『奴らを通すな!』を読みましたが、山口さんは差別主義者と会って、ヘイトスピーチをやめるよう説得したりもしているみたいですね。

山口 最近でも1人やめた人間がいましたね。対話はとても大切なことだと思います。僕僕の仲間もそういうことをよくしています。在特会から離れて謝罪をしても、今までヘイトスピーチをして傷つけた人には許してもらえないかもしれないし、過去の罪は消えません。しかし、償いはできます。

── 来年、男組は映画になるみたいですね?

山口 はい。韓国で映画になる予定です。有名な映画監督が作ってくれています。楽しみですね。

── 最後に、今後のカウンターについての意気込みをお願いします。

山口 在特会は下火になりました。しかし、まだまだヘイトスピーチに心をえぐられ、苦しんでいる人がいます。だから、これからも僕は差別主義者にあらゆるカウンターをかけ、結果を出していくつもりです。誰かに認められるためにやっているわけじゃないから、今後も嫌われ者でやっていきますよ。


山口祐二郎
1985年、群馬県生まれ。歌舞伎町ホストなどを経て、新右翼「統一戦線義勇軍」幹部に。2007年に防衛省襲撃事件、2012年に東電会長宅前断食断水ハンストを起こし脱退。現在は、「全日本憂国者連合会議」議長、「憂国我道会」会長。作家・活動家として活躍。 著書に『ハイリスク・ノーリターン』(第三書館)、『奴らを通すな!』(ころから)がある。
山口祐二郎公式ツイッター https://twitter.com/yamaguchiyujiro


(取材/文=R-ZONE編集部)