すでに一部週刊誌などで報じられているが、去る10月17日に、工藤會、道仁会、太州会、熊本會からなる九州四社会は六代目山口組と交際しない方針を固めたむねを表明した。その内容は衝撃的なもので、抗争状態にないものの、組織間の親戚関係、および末端の組員に至るまで個人間の付き合い(兄弟盃関係など)をしない、という内容まで含まれているというのだ。いったい、九州の地で何が起きているのか、緊迫する最前線の現場から取材班がレポートする。
交流断絶という厳しい決断
実際、そのとき何が起きたのだろうか、皆目検討がつかない。
九州の独立4組織、五代目工藤會(福岡県北九州市)、道仁会(福岡県久留米市)、太州会(福岡県田川市)、熊本會(熊本県熊本市)=順不同=で構成されている親睦団体「九州四社会」が「六代目山口組との交流を断絶する」という厳しい決断を下したというのである。

ネオン輝く中洲の街
道仁会会長の小林哲治四代目は、兄弟分でもある二代目竹中組・安東美樹組長のもとへ、二代目竹中組組長就任祝いのため、住吉会幸平一家加藤総長と共に今月10月4日、訪ねたばかりである。その姿は、週刊誌などでも大きく取り上げられていたが、そのわずか2週間後に飛び出したこの交流断絶の情報は大きな波紋を呼んだ。10月4日から17日までの2週間のあいだで、両組織の間にどのような亀裂が生じたというのであろうか。
「キーマンは安東組長です」と語るのは捜査関係者である。
「就任祝いの返礼に安東組長と九州ブロック長がニ度、道仁会本部を表敬訪問したという情報があります。そのときに何らかのやりとりがあった可能性が高い(捜査関係者)」
その情報を信じるならば、表敬訪問の直後に、交流断絶の発表がされたことになる。その2つの出来事に何らかの関係があったと考えることはけっして不自然ではないだろう。
ただし、ひっかかる証言もある。それはほかでもない六代目山口組の関係者の声である。