プロ野球や大リーグ公式戦で客に賭博をさせたとして、大阪府警4課は賭博開帳図利と常習賭博の疑いで人材派遣業ダルビッシュ翔容疑者(26)ら2人を逮捕しました。捜査関係者によれば、無料通信アプリLINE(ライン)などを用いて客からの申し込みを受け付け、賭金の1割を利益として得ていたとのことです。なお翔容疑者の兄はテキサス・レンジャースのダルビッシュ有選手、弟は俳優のKENTAさんです。
これは"プロ"そのものの手口だ!
柔術習いたい
良いとこのないのかなー
— ダルビッシュ翔 (@000_reon) 2015, 10月 26
今回のダルビッシュ翔容疑者の手口は、このようなものである。客は、ダルビッシュ翔容疑者らが指定したプロ野球や大リーグの試合から勝敗やスコアを1口1万円で予想し、無料通信アプリLINE(ライン)を使って賭けを申し込む。申し込みを受けた翔容疑者は、ほかの野球賭博の胴元に、同じ予想をそのまま賭ける。これでは一見、翔容疑者たちの利益はなさそうに思えるが、賭博につきものである「テラ銭」と呼ばれる一種の手数料が翔容疑者の収入になる。一般的にテラ銭は、賭け金総額の1割と言われており、「5億円は動いていた(捜査関係者)」という翔容疑者たちのグループは、約5000万円を荒稼ぎしていたものと見られている。
翔容疑者の行なっていたことは、いわゆる賭博の胴元である。手口といい、扱っていた額といい、とても26歳のカタギの青年がやれるような代物ではない。
その証拠に、今回の事件を担当しているのは、暴力団を担当する大阪府警の捜査4課なのである。事件の影に暴力団の存在がなければ、捜査4課は動かない。
ちなみに翔容疑者はこれまでに、少なくとも4回は逮捕されているのだが、
「どうも今回、翔容疑者と一緒に捕まった逮捕者の中には、刑務所で知り合った人間もいるようなんです」
と語るのは、捜査関係者A氏である。
「ムショ仲間と組んで野球賭博やってたわけですから、やってることは暴力団員そのもの。実際に暴力団に所属しているかどうかはともかく、相当重い判決が下ることは間違いないでしょう(A氏)」
ちなみに今回、事件が発覚したきっかけは、去年9月の段階で警察関係に通報があったというもの。そのことを知らず1シーズンまるまる野球賭博を開帳してしまったせいで、常習賭博のおまけつきである(賭博罪は50万円以下の罰金、常習賭博罪は3年以下の懲役)。刑務所の重い門扉がギシギシと音を立てながら、ゆっくりと開いていくのが目に見えそうである。
一方、野球賭博を開帳するのは、それほど難しくないと語るのは暴力団関係者のB氏である。

ダルビッシュ翔容疑者のFacebookより
「野球賭博で重要なことは、良客をどこまでつかめることができるか、ということ。その点、1シーズンで5億円集めたダルビッシュ翔たちのグループはなかなかのもの。ただ、裏をかえせば、やつらは素人じゃない、ということでもあるわけで、そのあたりを警察がどう判断するかだな(B氏)」
翔容疑者を高く評価するB氏だったが、一点だけいただけないところもあったと眉をひそめる。
「今風といえば今風だが、賭博に限らず、LINEで事件に関係するやりとりをするのは、うちの組織では絶対にNG。LINEはいくら消しても簡単に復元されてしまうし、あとあと証拠として残ってしまう。そこは労力かけないとダメなんだが、これがゆとり世代ってやつか(B氏)」
それにしてもオフシーズンで日本に戻ってきた兄の有は、翔容疑者のところに面会に行くのだろうか。それとも更生するまで目の前に現れるな、と今度こそ突き放すのだろうか。いずれにせよ今ごろ、腹を立てていることだけは間違いないだろう。
(取材/文 野坂利一とR-ZONE関西取材班)