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R-ZONEドラッグレポート

オーバードーズする若者たち「それでも処方薬やりますか、それともビルから飛び降りますか?」

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処方薬オーバードーズする若者たち

 20世紀には考えられなかったが、日本の政情不安や社会不安、長い不景気が功を奏してか(?)、現在はお上と精神科医と製薬会社主導のもと、処方系向精神薬産業が巨大なマーケットに発展している。仕事柄、筆者も睡眠導入剤(以下、眠剤)を使用しているが、何が「仕事柄」なのかと言うと、原稿を書き上げて入稿したあとは、軽い興奮状態を抑えないと寝られないというのが最たる理由だ。医師の処方箋を元に、ハルシオンやマイスリーといった軽い眠剤を使用し、勿論用量、用法は遵守している。このような形の使用は一般的には自ら言わないだけで、使用者は日本に激増していると考えられる。

 そんなある日、筆者の知人の女性A子さん(28歳)と話していた時の事だ。
「ハルシオンは効かないからマイスリーに変えてもらった。これで結構遊べる(笑)」とA子さんは微笑みながら言った。筆者は耳を疑った。(遊べる? 遊べるってどういうこと?)

 その疑問を率直にA子さんに聞いてみると、何とマイスリー(1錠5mg)をワンシート(10個)一気に飲んで、時々トリップして遊んでいるというのだ。
「それをするとどんな感じになるの?」という筆者の質問に「なんかふわふわとしてラリって幸せになるの~。ハルシオンじゃダメなの~」という答えが帰ってきた。しかし薬効の切れ目に猛烈な鬱に襲われるという。そりゃそうだ。副作用のない薬はない。睡眠導入剤としてのマイスリー適量は各々だが、一気に50mgはオーバードーズ(以下OD)といえる範疇だろう。
 
 彼女は元々何らかの精神的疾患を患っており、つかの間の楽しみにマイスリーのODトリップを楽しんでいるとのこと。処方薬好きの間では今これが一番の遊び方のようだ。そして「マリファナとかイリーガル系の経験はないの?」という問いには「実家に住んでるから、もし違法系で捕まったら一族村八分になる」と言っていた。

 さらにA子さんの「ラリ仲間」B子さん(21歳)を紹介してもらい話を聞いてみる。水商売の経験が豊富で、リストカットの跡が生々しい。
「私もマイスリーの5mgをワンシート一気食いして、ラリるんです。マイスリーがない時は、咳止めのブロンのODで遊びます。ブロンなら近所の薬局で買えるので、その点は楽ですね」

 薬効の切れ目に関しては「ブロンは、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐など、この世の地獄を味わいますけど、またやってしまうんですよね。昔は何度か大麻を吸ったこともあるんですけど......。でも違法ドラッグは嫌。親族が覚せい剤で何度も捕まっていて、家がめちゃくちゃになったから」
 ブロンは20世紀においては合法トリップの王様だったが、今の成分のブロンでは飛べない。それを知った上で、あえてブロンにも手を出しているという。

 さらに30代のエリートサラリーマン男性Cさん(34歳)にも話を聞いた。
「僕は学生時代マジックマッシュルームの栽培をしてたんだけど、違法になったと同時にキッパリやめました。大麻は海外で何度か経験し、その効能も知ってるけど、ただ僕は現在、某社の正社員で、このまま勤め上げれば老後の心配も何もない。でも日本国内で、例えば大麻1gでも持ってって逮捕されたらすべてがパーになる。全然割に合わないんです。だから時々、向精神薬のODでトリップする程度ですかね。とにかく逮捕は怖いんで」