>  > 山口組ハロウィン中止の報道を現役組員はどう受け止めたのか?
日本の裏社会で今、なにが起ころうとしているのか?

山口組ハロウィン中止の報道を現役組員はどう受け止めたのか?

この記事のキーワード:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

六代目山口組が神戸市灘区にある総本部前で毎年10月31日、近くの子供たちにお菓子を手渡すという「ハロウィン」の行事を、今年は取りやめていたことが捜査関係者への取材で判明しました。総本部のガレージに脇には張り紙が貼られ、「来年は必ず開催します」などと書かれていました。


若い組員はむしろハロウィン中止は歓迎!?

yamaguchi_1022_01.jpg

産経west「山口組が毎年恒例〝ハロウィーン〟中止 分裂問題が影響か」(リンク

 毎年10月末に総本部前で行われていた「ハロウィン」が、今年は中止になってしまったという。山口組の「ハロウィン」は総本部前を通った地域の子供に組員がお菓子を手渡す、というもので、地元神戸市灘区ではなかなか人気のあるイベントであったときく。

 兵庫県警の捜査関係者の推測では「分裂後の情勢から、子供たちを抗争の危険に巻き込んではいけないと考えたのではないか」とのこと。子供たちを標的にする暴力団員はまさか日本にはいないだろうが、万が一のことを考えたら、今回の中止はやむを得ない措置かもしれない。

 とはいえ山口組の「ハロウィン」は、総本部近くに住まれている方の不安を払拭(ふっしょく)する、数少ない貴重な機会であった。こんな殺伐とした時期ではなおさら、今回の中止の報が残念でならない。そこで、そのかわりに当サイトが過去、山口組「ハロウィン」に参加したことのある組員たちからエピソードを聞き出し、その雰囲気だけでも皆様に味わっていただくことにする。

 まず、どの組員も口をそろえて言っていたのは、「ハロウィンの日に、ガレージ当番があたってしまうとめちゃくちゃ大変」というものであった。ガレージ当番というのは各組から持ち回りで、若者が7名ほど総本部に派遣され、おもに車の出入りのときに電動シャッターを開け閉めしたり、車の誘導などを行ったりする当番制のことである。それ自体は慣れもあって、それほどつらい作業ではないのだが、そこに何か行事が重なった途端、急に大変なことになってしまうそうである。

「行事の日に当番になるのは仕方ないけど、せめて関係者の出入りの少ない土日にあたってくれと祈ってました(関東のA組関係者)」

「ずっとシャッターの所に立って、出入りを確認しとかないかんしね。(ハロウィンの)前日からいろいろ用意もあるから、夜中も人の出入りがあって結構、大変やで(関西のB組関係者)」

 総本部のある神戸市の10月末の気温は平均で21度、夜になると11度くらいまで冷え込むというから、屋外で立ちっぱなしというのは確かにキツイ作業だといえるだろう。だが、そんなガレージ当番だちの疲労をいっぺんに吹き飛ばしてくれるものがある。それは言うまでもなく、お菓子をもらって喜ぶ子供たちの笑顔である。

「ハロウィンいうんは知ってましたが、『トリックオアトリート』って子供たちが言ってくるなんて知らなかったし、こっちも『ハッピーハロウィーン!』言いながらお菓子渡すなんて知りませんでしたわ。最初は恥ずかしかったけど、慣れたら意外と楽かったでっせ(前出のB組織関係者)」

 実際の様子はYOTUBEなどの動画サイトで観ることができるので、ご自分の目で確かめていただきたいのだが、どこか微笑ましいエピソードのように聴こえるのは筆者だけだろうか。

 またハロウィーン以外にも、ガレージ当番には試練の行事がある。経験者が「過去、いちばん大変なガレージ当番やったで(関西のB組関係者)」と語るもの、それが年末の餅つき大会である。

「本家親分(司忍六代目山口組組長のこと)をはじめ、最高幹部の方が皆さんいらっしゃるやろ。気を使う、なんてもんやないで(関西のC組関係者)」

 ちなみにこのC組関係者は、餅つき大会のあと、責任者からこっぴどく叱られたことがあるという。原因となったのは、来賓者が司組長と記念写真を撮ってしまったことにあった。

「基本的に入れるのは直系組織の関係者だけ、それも各組何名までと決まっていて、誰もが参加できる行事やない。つまり全員、身内の人間や。それが司の親分と写真を撮ってしまったわけや(前出のC組関係者)」

 え、それのどこがいけないことなんですか!?と取材班が聞き返すと、怒声に近いような大声でこんな答えが返ってきた。

「当たり前やんか! 司の親分と高山の頭には、一般の組員は話しかけるどころか、目を合わせることすら禁じられているんやで。そんなモンが写真なんか撮ったらあかんに決まってるやろ!(前出のC組関係者)」

 どうも暴力団社会の上下関係は、我々一般人が考えているよりもはるかに厳しいもののようである。

(取材/文 野坂利一とR-ZONE関西取材班)