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俺の、最後の獄中絵日記 第241回

頭のかゆみって、けっこう耐え難いもんなんだよね...

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらい月形刑務所で服役中だった後藤武二郎は、ある日、たまたま目にした職業訓練募集の張り紙に深く考えず応募したところ、まさかの当選。住み慣れた北海道を離れ、九州は佐賀少年刑務所へ移ることになってしまった。

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洗髪

2013年(平成25年)9月6日

前刑の府中や前々回の甲府なんかの夏はさあ、
雑居部屋に7〜8人で入れられたりしてたから暑いうえに臭いんだよネ。
毎回俺は独居に逃げ込むけど順番が来るまでは雑居にいるしかない。
そして多少若かったこともあったから身体は常に脂ギッシュなわけだよ。
そこへきて週末の連休ともなれば3日も4日も頭を洗えない日が続く。

すると、よし、順番で頭洗うか!となるわけだ。
もちろんそんなのが見つかったら連れてかれて「不正洗髪」ってことで懲罰になってしまう。
だから「誰がシキテンはって。」とか「俺がテンきる。」とか
要するに見張るって意味の、これも懲役用語かナ。
両側の窓にひとりずつ見張りがついて、
頭を洗う奴、やかんで水を掛けてやる奴、水をためる奴と、
それぞれ役割分担して素早くこなす。
それでもタイミング悪くオヤジがやってきた時は
「ズズ」の声で頭を洗ってた奴はアワだらけのまま
窓の下、外のオヤジから死角になるとこに張り付いて
その他の奴らも何事もない風のポジションに戻りやり過ごす。
俺がテンきる順番の時には窓からものさし出して
それに映る影を見て見張ってたら反対側から来たオヤジに手を掴まれたよ。
ドキリとしたけど、「何を測ってるんだ?」ときたので
「窓枠の長さがですネ・・・」なんて苦しい言い訳で難を逃れたりしたっけ。

今は年とってカサカサになって来たからかナ
「もう我慢できねェ」って懲罰覚悟で頭洗うこともなくなっちまった。


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