>  >  > 1日の始まりは、「いよォ!」と歌舞伎役者のごとく安全唱和から!
俺の、最後の獄中絵日記 第237回

1日の始まりは、「いよォ!」と歌舞伎役者のごとく安全唱和から!

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらい月形刑務所で服役中だった後藤武二郎は、ある日、たまたま目にした職業訓練募集の張り紙に深く考えず応募したところ、まさかの当選。住み慣れた北海道を離れ、九州は佐賀少年刑務所へ移ることになってしまった。

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工場の朝礼

2013年(平成25年)9月2日

毎朝、ひとりオヤジの前まで出て行き、
安全唱和と、年間目標、月間目標を唱え、
最後になぜか「すみません。この一言が笑顔につながる」ってのを全員で復唱しながらやって終わる。
前に出て代表でこれを唱えるのは順番で回ってくるのだが、
これを叫びながらやるものだから皆、歌舞伎役者のようだ。

一言叫んでは句読点でえらい間をとる独特のものだ。
耳をすませば、この全員での朝の決まり事をあちこちの工場でやってるのが聞こえてくるけど
他はどこもスラスラ読んでさっさと終わっているようなのだ。

なぜかこの工場だけが一味違うのだ。
1行1行に時間をかけ歌舞伎役者が大見栄を切っているかのようだ。
「いよォ!」と声をかけて欲しくなる。

今日はついに俺の番だったのでここに記してるわけだ。
このあと訓示と告知事項を聞く朝礼。
そのあとはラジオ体操。

そして各自、席につくのだが、まだそれでも訓練(勉強時間)は始まらない。
再び起立して訓練生は「生活信条」ってのを
また別の代表が前出て読み上げ皆で復唱する。
それが終わって「訓練始め」の声に全員で「よし!」。
そして座って、やっと1日が始まる。
ここまで毎日本当に長いのだ。


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