>  > 元極道が解説する「これが"みかじめ料"の真実だ」
元極道の異色作家・沖田臥竜のニュース解説  「プロ」はニュースはこう読む!

元極道が解説する「これが"みかじめ料"の真実だ」

この記事のキーワード:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

中止命令は何回切られようが関係ない


 基本、ヤクザは、金が無くても金があるように振舞わなくてはならないものである。相談事を持ち込まれた時に解決したからと言って、その際に包まれるいくばくかの金を受けとらなかったからこそ、「だったら、せめて月々の付き合いはさせてもらう」と言ってもらえるのだ。

 貧乏している時などは、目先の金が、それこそ喉から手が出るほど受け取りたい。というより、受け取ってしまった事が私にはある(笑)。それを涼しい顔で辞退するから、付き合いが生まれるのだ。

 見方を変えれば、(打算的な考えかもしれないが)それこそが男伊達である、と私は思う。

 70店舗の中には、そういう関係性があった店側もあったのではないのか。

「他がなんて言おうが、〇〇組の〇〇さんには世話になっているから、ウチはそんな掌を返すような事はできない。怖いとか怖くないとかいう問題ではない」という人もいたかもしれない。

 誤解無きように言っておくが、私は何もみかじめ料を称賛しようなんて気は毛頭ない。法で禁じられているのであれば、もちろんいけない事である。だが、それぞれの事情を無視し、強引にみかじめ料の支払いだけを締め付けると、よけいにこじれる事もあるのではないか、と言いたいのだ。

 警察側はみかじめ料の支払っている業者だけを探し出し、付き合いを絶つように勧告しているが、本気で取り締まりたいのなら、「なんかあったらすぐ言って下さいね~」と言って店からヤクザに断らせるのではなく、警察と店とで連絡を密に取り合って、ちゃんとケアや対処までするべきであろう。

 かくいう私も現役時代には、頼まれて面倒を見ていた飲食店が何店かあった。ほぼ全て向こうから厄介ごとを持ち込まれた事からの付き合いである。

 だが、守り代を貰った事は一度もない。本音を言えばそりゃ金は欲しい。「守り代もうたらよろしいやん」と色々な人間に言われた。だがもらわなかった。警察につけ狙われていたからもらえなかった、とも言うが(笑)。

 私も商売を経営していたのが大きかったし、性格的にも合わなかったと思う。それだけの甲斐性がヤクザとしてなかっただけなもしれない。でも、だからこそ応援してくれる人がいたし、足を洗ってからも変わらず付き合いをしてくれている人達がいるのだと思う。

okita_news_1005_02.jpg

中止命令書の実物

 今回の愛知県の件は中止命令で蓋するようであるが、中止命令で終わるか、はたまた恐喝で柄(がら・身柄のこと)をとるかは、捜査本部の指揮官の腹一つである。考えれば、これほど恐ろしい事もないが。

 中止命令とは、同じ事案でない限り何枚切られようが差し支えがない。3枚たまったから逮捕とかいうシステムではない。だから、何枚切られようが中止命令で済めば、実は痛くも痒くもないのだ。

 今回は、そんな私が切られた中止命令の中の一枚を取り出して振り返ってみたい。