>  > 山口組実録シリーズ 「菱の血判」その③ ~分裂Ⅲ~
日本の裏社会で今、なにが起ころうとしているのか?

山口組実録シリーズ 「菱の血判」その③ ~分裂Ⅲ~

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銃弾のかわりに札束が飛び交う時代


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2014年のこの年、ウクライナの内戦にロシアが介入した"クリミア危機"で世界中が揺れていた ©Reuters 2014

 神戸一派の離脱の動きが表面化したのは、平成26年(2014年)頃からである。繰り返すが離脱話は今年、急に浮上した話ではない。前々からあったものだ。精神的な絆という意味ではとっくに切れていたし、あとは六代目が出所してから、どのタイミングで「別れ」を切り出すか?という状況だったのだ。

 シノギ的には東京オリンピック利権を名古屋一派に独占された事が大きかった。また、山口組とは違う他組織の大組長たちが相次いで脱税容疑で逮捕されたという報道も離脱の準備に加速をつけた。

 脱税による逮捕は、何も他組織だけの問題ではない。六代目山口組が日本最大最強の暴力団であるならば、本来であれば真っ先にそのトップである六代目が脱税容疑で当局に逮捕されてもおかしくない。しかし六代目は逮捕されなかった。おかしい?と疑問に思う人がいても当然だろう。

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指定団体のトップを脱税容疑で摘発したという報道の例(リンク

 ターゲットが大物であればあるほど、逮捕の準備には時間がかかるはずである。そして、この時期に神戸一派が離脱した、ということは、その仕掛けがいよいよ完了したとも考えられる。総合的に「時来たり」となって、六代目山口組は名古屋一派と神戸一派の「別れ」となったのだ。山口組、誕生100周年目の今年は、二重の意味で大きな節目の年となってしまった。

 

 チャカをぶっ放すだけが抗争ではない。名古屋一派はその理屈で名古屋支配体制を敷き、神戸一派を切り崩し続けた。そして、神戸一派もまた、音を出すだけが抗争ではないとして、何らかの仕掛けを敷いている。もうすでに両者の抗争は始まっているのである。

 世論やマスコミはいたずらに「拳銃による抗争の時代が始まる」とあおり立てる。しかし抗争とは、ようは敵が壊滅して消滅するか、降参すればいいのである。その方法は何でもいい。六代目山口組の離脱分裂劇は、現代ヤクザの現在の形の抗争劇として捉える事も出来る。新しい時代には、ヤクザも新しいスタイルでケンカをするようになったと理解すればいい。