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當世日本若衆語録 其の弐

これぞ男冥利に尽きる生き様Ⅱ

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イロイロあった今だからできること


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寛永通宝で作ったブレスレット。「六文は三途の川の渡り賃で、これ三つ一組で六文になってます」

──けど、それって多分世の中の男性の結構本音の部分ですよね。

「ホントそうですよね。普段も女の子とどっかに遊びにいくとかそういうの絶対ないですね。一緒にいたいとかも思わない」

──それでもホストクラブをやり、好きでもないお酒を扱うバーをやろうと思ったのは、やっぱり夜の仕事が好きなんですか?

「遊びが仕事みたいな感覚なんで、楽しいなぁとは思いますね。基本的に人と喋るのが好きで、男でも女でも、誰が相手でもそれができるのは楽しい。それが仕事中ずっと続くわけなんで」

──そう思えるというのは、客商売がやっぱり天職なのかもしれませんね。バーは本城さんが1人でやられていたとのことですが、本城さんに会いたくて来る女の子もいたわけですよね。そういう女の子をお持ち帰りしてしまうことになったりしないんですか?

「全然してましたね。お持ち帰りどころか、よく、そのときは『SOUL JAPAN』を(ミリオン出版刊。※いわゆる「悪羅悪羅系」という言葉とジャンルのパイオニア的雑誌)見てきてくれる女の子がいっぱいいて、Facebookを通して『渋谷のバーに行きたい』と最初に連絡をくれてから来てくれる。その連絡をもらった時点で、エッチはできんのかくらいの会話になるので、とりあえずバーに来る前に、先にちょっとエッチしちゃうんです。だからお持ち帰りとかではないんですよね(笑)」

──なるほど。バーにお持ち帰りするんですね(笑)。

「そうそう(笑)。今からバー来ても、最終的に夜セックスするでしょって言って。だったら先にやっちゃってもいいでしょって感じだった」

──素晴らしいですね。今はそのバーはやられてないんですよね。

「今はもうないです」

──それで、今はご自分で歌舞伎町でアリアージュをやられているわけですが、なぜまたホストクラブをやろうと思ったんですか?

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指輪にも好きな寛永通宝が刻まれている

「やっぱりホスト歴は長いし、色々なところを見てきた。それを踏まえた上での僕の集大成というか。今まで自分がやって来て、イヤだと思っていたこととかを全部排除して、それで今回失敗したら自分で『俺カスだな』っていう。ここが成功したら、やっぱり俺がやってきたことは間違いなかったんだなっていう。自分的な答え合わせをしたいと思ったんですよね」

──ホストの経験がないのでわからないのですが、これまでの失敗から学んだこととか、今回排除しようと思った「イヤなこと」というのは、具体的にはどういうことなんですか?

「昔の、BASARAのときだと、No.1の男の子が、クソ性格悪かったんですよ。それで従業員全員から嫌われていて。でも、ダントツNo.1だったんですよね。店では『みんながあの人イヤだ』って言っていて。ただ経営者としての立場だと売り上げがすごいあるんで、首にはできないじゃないですか。でも、今思えば(首に)しとけば良かったなっていう。1人の売り上げより、みんなをとったほうが良かったなというのがあって」

──ほう。それは、どういうことなんですか?

「ホストクラブって、基本的にはどこのお店も募集して来た男の子をほぼ100%いれるんですよ。入った上で続かなかったりとか、気に入らなかったらいじめて辞めさせたり、色々あるんですけど、今回はそういうのを無くして、本当にちゃんと面接して、性格のいい子男の子だけ入れて。とりあえず従業員が全員仲がいいって感じでやろうと思っています。今後No.1が生まれて、もしそいつが性格悪くなったとしても、じゃあ君違う店いきなきなよっていう。そういう判断でやろうと思ってますね。今までホストやってきて、そのスタイルがいいんじゃないかなと思ったんです」

──そのBASARAでNo.1だったホストの方は、売れてから性格が悪くなったんですか?

「そいつは元々悪かったですね。売れてから悪くなるってことはあまりないです」

──性格が悪くてもNo.1というのは、女の子からは人気があるということですか?

「そうっすねぇ.......確かにそいつはマメだったんですけど、やっぱりなんていうんですかね......みんなで決めたルールを守った上で、No.1になるんだったらいいんですけど。そいつは何も守らなかったんで。例えばお店で、どっかに旅行に行くぞといっても集合場所に来ない。1人で池袋に残って、その間お客さんに会ったりもできるわけじゃないですか。そういう自分勝手なことが多かったので、周りからも認められていなかった。みんなと同じことをして、さらに自分なりに色々して、その上でNo.1ならみんなも尊敬すると思うんですけど、みんながやらなきゃいけないことをしないでNo.1でも、なんだあいつとなるだけですよね」

──それで、過去のいろいろな体験を踏まえてお店をやってみて、お店の調子はいかがですか?

「出だしは好調かなと思ってるんですけど。最近はホント毎日マンタクになるくらい入ってる。ただやっぱりうちは、ホストがほぼ全員未経験者で、まだ数カ月しか経ってないので、結構今はしんどいっちゃしんどいですけど」

──マンタクでどのくらい入りますか?

「卓数でいうと10卓なので、2、30人というとこですかね」

──客層はどういう感じですか?

「性格いい子が多いですね。池袋のときはホストもお客さんの女の子も性格悪い子が多かったんですけど。池袋って女の子もホストも歌舞伎町とか埼玉方面でトンだ子が集まる町って言われてて。新宿にいずらいから池袋に来るとか、変な子が多いんですよ」

──いまは従業員も面接して性格重視で、お客さんも性格いい子が多く、それがマンタクという結果に結びついている。現時点では答え合わせは間違っていないわけですね。しかし、ホストって、すごくお酒を飲むイメージがあるのですが、好きではないお酒を毎日飲んで、それをずっと続けるというのは、ずいぶんヘヴィなことに思えるのですが...。

「でも、逃げらんないくらい飲む日は年に数回しかないんですよ。普段は飲めるペースで大丈夫です。18歳で初めてホストをやったときはまだバブルの名残があって、ハウスボトルの時点でブランデーで、今みたいに鏡月とかじゃなかった。1万円のチップでカラオケしたり、イッキして5000円とか。最近はもうチップとかを見たことがない。昔はきっちり礼儀があって、ちゃんと接客しなきゃいけないみたいなのがあったんですけど、今それをやると客の女の子がいやがりますね」

──きっとそういう時代なんですね。

「時代ですよね。でもホストが続かなかったら、何やっても無理だと思いますよ。他の店で続かなかった子でも、うちでは続けられる。働きやすい環境だと思うので、従業員志望の方はぜひ連絡を欲しいですね」

──ありがとうございました。お話おもしろかったです。


 ということで、本編はここで終了。インタビュー中、本城海斗氏は、歌舞伎町「アリアージュ」を生まれて始めてまじめにやろうと思っているのだと言った。18歳でジゴロになろうと決めてからの集大成。サングラスをかけた顔は強面だが、外せば真っ直ぐな嘘のない目力が印象的である。「セックス好きの女嫌い」とか、昔の「1日で金融屋さんを回らして、お金を作らせた」という話を聞くと、抵抗を感じる方もいるかもしれない。だが、本城氏は「今まで誰とも変な感じでバイバイしたことはない」と言い切っていて、聞いているこちらも、それが理解できる気がした。一言でいえば、それが氏の人柄ということになるのだろうが、とにかく本城海斗氏には淀んだもの、邪悪なものがない。「昔はDVもひどくて、金もとるし、ぶっ飛ばすし...」という話を聞いてすら、その印象は変わらない。