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俺の、最後の獄中絵日記 第231回

人間どういうきっかけで宗教にハマるのか

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらい月形刑務所で服役中だった後藤武二郎は、ある日、たまたま目にした職業訓練募集の張り紙に深く考えず応募したところ、まさかの当選。住み慣れた北海道を離れ、九州は佐賀少年刑務所へ移ることになってしまった。

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反省からキリスト教にはまったオヤジ

2013年(平成25年)8月27日

CADの訓練生で俺が最年長から2番目。
そして山形刑務所から殺人12年の仮釈間近で来てるのが、3番目。
40歳過ぎてんのはこの3人だけだ。
当然よく話をし、仲も良くなるのだが、
この男、絵やデザイン関係が好きらしく、俺に興味もあるらしい。

いつものように俺は相手の都合も何も関係なく事情聴取、いや取り調べをする。
13年の刑で今年12年目、もう仮釈で出る頃だ。
山形のオヤジが最後の挨拶をしてきたというので、おそらく訓練が終わったら、ここ佐賀から出所するのだろう。
この男、当時、自分の人生に投げやりになっていたのを良いことに
知人のために、憎き男をハジいて(拳銃で撃って)殺した。
今でも殺されて当然。
そいつに苦しめられていた奴がどれほどいるのかと後悔はないが
遺族のことを考えて深く反省している。
その反省具合はキリスト教を深く信仰するに至り、
毎日聖書を肌身離さず、シャバに出たなら牧師になると。
作業で貯めた金を遺族は国からの受給を受けているため受け取ってもらえないことから
協会に寄付すると決めているらしい。
俺が中では命の次に大事にしている集会の際の菓子さえも購入せず、
キリストに捧げるつもりのようだ。

人間どういうきっかけで宗教にハマるのかよくわからないが
本人の心の支えとなるならそれはそれでよい。
どこかのバカ宗教のように無理くり他人を入信させるようなことが無ければ、
宗教は素晴らしいものなのかもしれない。
こいつを応援したいが、神を信じない俺はまだ無宗教のままだ。


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