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元極道の異色作家・沖田臥竜のニュース解説  「プロ」はニュースはこう読む!

札幌で再婚相手の連れ子に「殺すつもりで」刺された継母に元極道も同情

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15日、札幌で、母親を包丁で刺した疑いで19歳の少女が逮捕された。少女は母親の再婚相手の次女で、取り調べに対し「昔から大嫌いだった。スマホを隠されて口論になり、逮捕されてもいいから殺すつもりで刺した」と供述しているという。

「他人」が「家族」になるのは確かに難しいが......

 現代社会で携帯電話は、何よりの必需品となっている。とくに10代の若い女の子には、その傾向が強いように思う。

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写真はイメージです

 だから、彼女は携帯電話を継母に取り上げられ口論の末、殺してでも取り返そうとしたのであろうか──いや、違うだろう。きっかけが携帯電話となっただけで、原因なんてなんでもよかったのだろう。

 それを象徴しているのが、逮捕後の彼女の供述だ。

「昔から大嫌いだった」「逮捕されてもいいから殺すつもりで刺した」

 彼女は、継母の事を受け入れられなかったのではないのか。仮にそうであるのなら、哀しい事件である。

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 確かに嫌いだからという理由で、人を刺してはいけない。いけないが、彼女の父親も、娘と再婚相手の間に入り、娘の大嫌いという気持ちを和らげてあげる事はできなかったのか。それは娘の心のケアというだけではない、娘に当たられる再婚相手の継母を守ることにもつながるはずだ。

 血の繋がっていない子供を我が子として育てていくのは、本当に難しい事であり、一方の気持ちや覚悟だけでは成り立たない。自分が受け入れるだけではなく、相手にも受け入れてもらわなくてはならないからだ。

 それは、並大抵の苦労ではないだろう。だが、そういう苦労や軋轢を乗り越える事によって、血が繋がっていない者同士が親子になれ、本当の家族になれるのではないだろうか。

「昔から大嫌いだった」と言った彼女の言葉は重い。

 大人の事情は、子供にとって大人のエゴでもある。言葉は悪いが、ある日突然、他人が母親になってしまった彼女の気持ちを、もっと大切にしてやるべきではなかった。

 私の身内の方で継父の立場の人がいる。その人は、連れ子の娘さん三人を立派に育てあげ、娘さん達からも愛されている。難しい事だったと思う。思春期にはさぞ手をやかされただろうし、「叱る」という感情ひとつにしても凄く難しかったのではないか。叱りすぎては、血を分けた親子ではないからキツすぎると思わるのではないか、かと言って、甘やかし過ぎてもいけない、という葛藤に苛まれた事もあったと思う。そういう難しい部分やデリケートな部分を乗り越えて、育てあげたという事が、私は男として、そして父親として立派だと思うのだ。

 なぜこうなってしまったのか、彼女の父親と継母も被害者という立場で考えるのではなく、家族として話し合い、彼女が罪の償いを終えて家庭に戻ってくる日まで支えて、彼女の帰りを待ってやって欲しい。





沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。現在、本サイトで小説『死に体』を好評連載中。