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俺の、最後の獄中絵日記 第223回

ファイティングポースをとった勇敢な戦士だったが、結果は......

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらい月形刑務所で服役中だった後藤武二郎は、ある日、たまたま目にした職業訓練募集の張り紙に深く考えず応募したところ、まさかの当選。住み慣れた北海道を離れ、九州は佐賀少年刑務所へ移ることになってしまった。

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この暑さとまともにやり合ってたら保たねえヨ

2013年(平成25年)8月19日

連休明けにこの暑さは死ぬ。
午前10:30からの運動で軽く走ったけど、初めてちょっとヤバいかなと思うくらい
体調は悪い感じがした。

すると、CADの訓練生12人のうち最年長53歳の◯◯さん。
いつもガンガン運動やってるはずなのに今日は元気がなかった。
気になったので声を掛けると、
夜も眠れず、メシも喰えないとのこと。
夏バテか?

この◯◯さん、18歳の時に少林寺拳法で全国大会優勝の経験を持つ
イケイケの九州男子。
この炎天下を敵に午前中の1Rを戦い抜いたものの
やはりスタミナを奪われてしまったのか。
Sフェザー級の体はややグロッキー気味のまま、エネルギー補給へ。
昼メシのインターバルにもいつもの元気はなく
セコンド役の担当オヤジに体調不良を訴えるものの
『大丈夫! 午後もいける』と全く取り合う様子はない。
そういう奴だあの担当は。

◯◯さん、気が進まない様子のまま、午後の勉強、過去問テストの待つ2Rへ。
しかし悲しいかな◯◯さん、力及ばず、
この九州は夏の炎天下という強敵が繰り出す必殺"熱中症ブロー"を浴びて、
2R開始2分46秒、彼は両ひざから崩れ落ちるように前のめりに倒れ、
ダウンを奪われ、レフリーの技官はカウントも取らぬまま両手を交差させ試合を止めた。

のちにドクターの診察を受けた後再び彼は皆の前に姿を現したが
もうリングに上がりたくない表情はひと目で見てとれた。

なんのこっちゃ...。


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