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山口組分裂の原点を探る! 日本のヤクザ社会に今、何が起きているのか!?

日本のヤクザ者たちよ、いまが原点に戻るラストチャンスだ

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自ら律し、自らすすんで行動するのが任侠道

──東日本大震災での救援活動の章も印象的でした。封鎖された道路を強行突破されて救援物資を運ぶのは、映画のようですね。

高田 実は、この話を書くのは初めてでした。

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貴重な盃事の写真

 任侠道とは、困っている人を自分のことは顧みずに黙って助けることです。そしてそのことを自慢しません。だから、震災に限らず、こうした活動についてはひけらかさないものでしたが、現在のヤクザが「暴力団」として誤解されている以上、引退した私が「本来のヤクザとは、こういう存在なのだ」と書いてもいいのではないかと思ったのです。

 震災の4日後である2011年3月15日は、私の直参への復帰と新規に「髙田一家」を名乗る披露目が予定されていました。服役中に直参から降ろされていたのですが、09年に出所し、復帰が認められることになったのです。

 なので、発災当日の3月11日は、披露目の準備をすべて整えて15日を待つだけとなったので、ゴルフに行っていました。ものすごい揺れでしたが、すぐに収まって、無事に帰宅することができました。

 当然ながら披露目は延期となりましたが、何の不満もなく、むしろ被災地の人たちのこれからが心配でした。

──それは現実になりましたね。復興庁の発表では、発災から5年目の現在もまだ23万人もの方が避難生活を送られています。

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高田 ひどい話です。発災当時は、すぐに北関東ブロックの総長たちと集まって会議をして、すぐにトラックと水、毛布、インスタント食品などを用意して現地へ向かわせました。

 被災地では多くの人が寒さと飢えに震えているのに、「お気の毒に......」と言うだけではダメだと私たちは判断し、行動したのです。これが日本のヤクザのあり方なのだと思います。

 また、都市機能の脆さにも直面しました。町のスーパーや商店から水や毛布が消えていたのです。でも何とか調達して、緊急避難物資は3ヵ月ほど送り続けました。その後も傘下の組織は、それぞれが、さまざまな形で支援に携わってきました。 震災と原発に関連して、あくどいシノギの話も聞きました。私の組織ではないのですが、「任侠」というより、「人」としてどうなのか、疑問に思います。

 たとえば、大震災発災から約半年には、2011年8月には震災の津波で流された約5700個の金庫が落し物として警察に届けられ、中から発見された総額約23億6700万円のうち96%に当たる約22億7千万円が持ち主の被災者に返還されたと報じられましたが、おそらくその倍以上の金額は持ち逃げされていると思います。