>  > 暴力団の東京進出パターン 巧妙化していく『拠点作り』の実態!!
山口組分裂の原点を探る! 日本のヤクザ社会に今、何が起きているのか!?

暴力団の東京進出パターン 巧妙化していく『拠点作り』の実態!!

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実はここからが本番、甘言によって拠点を作る

 そしてここからである。滞納されている未回収の家賃にイラついている大家の元に、不動産業者もしくは債権回収業者として電話を入れる。

 1年以上も借り手がなくやっと借り手がついたのに家賃未払いという目にあっている大家は、こちらからの「家賃回収しますよ」という甘い言葉に猫まっしぐらで飛びついてくるのだ。普通なら弁護士を代理人に立てる案件とも言えるが、やっと金になったと思ったら金にならなかったという人間の悔しい心理状態が電話1本の甘い声に飛びつかせてしまうのだ。

 そして、オフィスを賃貸していた家賃未払いの株式会社と、この電話の主は勿論「同じ組織」である。その後、この電話の主が、家賃回収を依頼されたからというかたちで上京する。

 これで都内に事務所を構えるわけだが、その資金は、前乗りしていたオフィス賃料未払いチームがもう稼いで用意している。警察に感づかれたとしても、こちらには家賃回収を株式会社として依頼されているという理由がある。

 振り込め詐欺の事務所や事件屋の事務所よりもよっぽどカモフラージュが効いている。家賃未払いチームの支払い義務については小額でケリをつけてしまう。これで東京進出が完了する。

 使用した経費は、最終的に大家とケリをつけた小額の現金のみである。むしろ、東京進出が完了した頃には、前乗り未払いチームが既に稼いだぶんだけの利益が出ている場合も多い。

いたちごっこ、巧妙化していく暴力団の手口

 こうやって経費を殆どかけずに都内に拠点を構えた組織はいくつもある。

 暴力団と悟られないように、日常的な会社業務をしながら、企業舎弟をコマのように使い、息を潜めてそこに拠点を築く。ここが最大のポイントである。「ばれない」。

 その動きは往年の暴力団と違ってまるで秘密結社のようであるが、暴力団としてのプライドがあるが故に、目つきの異様さだけは隠しきれない面もある。

 なにしろ、誰にも知られてはいない隠し拠点がもう都内の数箇所に存在しているのである。警察や世間の暴力団に対する風当たりの強さは暴力団をより巧妙にしただけなのかも知れない。(2014年12月10日公開)


(取材/文=藤原良)

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今日もどこかで着々と・・・