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山口組分裂の原点を探る! 日本のヤクザ社会に今、何が起きているのか!?

暴力団組員が語った「アイドル斡旋」ビジネスの闇

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裏の世界に通じすぎている謎の男

 ある古いヤクザ、杉島(69歳=仮名=)に話を聞く機会があった。
 
 杉島は破門や絶縁になることもなく、つつがなく(こういうときに使ってふさわしい言葉なのかわからないが)現役生活を終え引退し、いまでは小さな韓国スナックを経営する気の強い奥さんと2人暮らししている。

 この日は取材ではなく、「まあメシでも食おう」という、たまにある誘いだった。奥さんの経営する韓国スナックで、何皿も出て来る小皿を適当につまみながら、いつものように昔話を聞いていた。ただ、杉島がつつがなく引退したことも関係しているのか、思いの外、現役の組員が気兼ねなく店を出入りしては、杉島と軽く言葉を交わしていく。

「振り込め詐欺だナイジェリアマフィアだ、最近はヤクザも忙しいもんなあ。俺の若いときは、興行とかが今よりは自由だったし、やることもいろいろあったけど。今のヤクザは大変だわ」と、杉島。

「芸能界と表立って付き合えたのはいいですよね。杉島さんの時代は楽しそうです」
そう相づちを打ったのは、杉島にするために挨拶に寄った「現役(推定)」だった。

 その男がそう言ったわけでも、杉島がそう紹介したわけでもない。こちらが「こんばんは」と挨拶をしても名乗らず笑顔で会釈するだけだ。

 これは恐らく現役の証だろう。昨今の「バリバリ」は、一度酒の席で偶然会ったくらいで、気軽に名刺を切ったりしない印象がある。

芸能界の腐った現状

「今は芸能界とはどういう形でつながってるんですかね?」
記者は「裏社会」だとか「ヤクザ」という主語を省き、また誰に言うでもなくそう言った。

 それに答えてくれたのは、その名乗らない「現役(推定)」氏だった。そして、その答えは、こちらの想像を超えるものだった。

「どうなんですかねぇ。最近小耳に挟んだのは、アイドルのレイプ斡旋ですかね。僕らの回りで芸能界回りの話というのは......」

 アイドルのレイプ斡旋?

「六本木の高級マンションでセレブリティが集まってドラッグキメる部屋があるとか言うじゃないですか。まあ多分あるんですけど。ただ僕が知ってるのは、架空のキメ部屋のほうで」

 架空のキメ部屋? 普段は聞かないような単語が「現役(推定)」氏の口からポンポンと出る。

「でも、実際はそこはパーティールームではなくて、名義人不明のレイプ部屋で。その部屋に来るアイドルはドラッグが欲しい下心もあるし、犯されたことが表に出れば、アイドルとしての商品価値が下がる。アイドルほどレイプが表沙汰にならない存在はないって、我々の回りではよく聞きますね」

 記者は内心(いやぁ、自分の回りではさっぱり聞かないですが)と思いつつ、「いやぁとんでもない話ですね」と答える。

「大体下は30万円から上は1000万円くらいの話みたいですよ。小さなアイドル事務所の上層部と直接話をつけて、顧客は企業の社長とか聞いてますね」

 記者が興奮したような顔をしていたのだろう。杉島が苦笑し「この人、物書きなんだけど、そんなこと話しちゃって大丈夫かい?」と「現役(推定)」氏に聞く。

「現役(推定)」氏は「じゃ、もしどこかに書くんなら、全部フィクションですと書いといて下さいよ」と笑った。

「これは俺が実際体験した話なんだけど」と凄んで話し始めるヤクザより「全部フィクションてことで」と言う「現役(推定)」氏の笑顔のほうが怖かった。(2014年12月10日公開)


(取材/文=李白虎)

シャンデリア.jpg

東京のどこかに架空のキメ部屋がある!?(写真はイメージです)