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元極道の異色作家・沖田臥竜のニュース解説  「プロ」はニュースはこう読む!

福岡市で病院に車で突っ込んだ72歳女性にヒットマンの可能性はあるか(いや、ない)

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9月22日、福岡市で病院の建物に乗用車が突っ込み、1階のロビーを10メートルほど進んで停止する、という事故が発生しました。車を運転していた72歳の女性は「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と話しているということです。ロビーには見舞い客など5人がいましたが、はねられた人はおらず、この事故によるけが人はいませんでした。


もしもこれが72歳のおばあちゃんでなくヤクザ者が起こした事故だったら


 可哀想におばあちゃん......、保険ちゃんと入っているのであろうか......、大きなお世話か...。

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写真はイメージです

 この事故、72歳の女性だから、間違いですんなり通っているが、運転していたのが抗争中のヤクザ者なら、違う間違い(=ヤクザの隠語で"抗争"のこと)に認定されかねん。もしかしたら、一度柄(ガラ)をとって(=警察が身柄を押さえて、ということ)調べられる可能性も十分に考えられる。

 ヤクザでなくとも、前科者だとしても、こんな事故を起こしてしまったらまずはこの病院との因果関係を徹底的に洗われるはずである。

 結局、人間は日頃のおこないがどれだけ大切か、という事か。


 さて、アクセルとブレーキとを間違ってしまった72歳の女性の方ももちろんびっくりしたと思うが、病院側は、一瞬何が起こったか正常に判断しきるまで時間がかかったのではあるまいか。

 映画などではひんぱんに観るシーンではあるが、車が突っ込んでくるという光景はあまりに非現実的過ぎて、日常で起きてしまうと受け入れるのにしばしの時間が必要となってしまうのではないだろうか。

 私も過去に二度突っ込んだことがあるし、突っ込まれた事も一度ある

 三度とも故意ではない。故意ではないので、どの場面においても、初めに出た感情は、「嘘ぉおん」であった。多分、この女性も言葉こそ違えど、事故当時こういう感情に近かったのではなかろうか。

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写真はイメージです

 大昔──本当に大昔の話であるが──私もある問題でこの心境を逆手にとったプロジェクトを計画した事があった。要は世間的には、故意ではないが、実は故意であるという作戦である。

 ヤクザの抗争といえば、華々しく成果を上げるものだと考えられがちだが実際そうではなく、相手側は気付いているのだけど、逮捕者を出さない戦術がベストの時だってあるのだ。これがプレッシャーを与え、喧嘩に置いて主導権を握れたり、カマシとなったりして、戦況を有利に運んだりする事だってある。とくに現代の裏社会は、この戦術を大いに取り入れるようになったのではないか。良い悪いの話しではなく、警察の締め付けが結局そうさせているのだけれども。

 もしも72歳の女性が何かのきっかけで病院に恨みを持っていたとしても、これは事故という事で迷宮入りしてしまうであろう。恐るべしである。もっともそんな事はありえないだろうが......。




沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。現在、本サイトで小説『死に体』を好評連載中。