>  > 熊谷市で6人を刺殺し、自らも意識不明になっているナカダ容疑者への埼玉県警の対応は正しかったか
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熊谷市で6人を刺殺し、自らも意識不明になっているナカダ容疑者への埼玉県警の対応は正しかったか

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埼玉県熊谷市で小学生を含む6人が相次いで刺殺された事件で、拘束されたペルー人男性ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容疑者(30)は、警察に追跡された際に押し入った住宅の2階から転落して頭蓋骨を骨折し、現在も意識不明の重体となっている。またナカタ容疑者の兄は2000年から2006年の間に25人を殺害し「死の使徒」と呼ばれているペルー史上最悪の連続殺人犯であることが当局からの情報により明らかになった。


このまま楽に死なせてやるわけにはいかない


 神戸山口組の中核に、傍目にも無理やり割り込んできた感否めずの埼玉県警が、巡査部長の殺害事件という不祥事(リンク)に続き、また世間に波風を立ててしまっている。

 ただ、今回の一連の騒動で埼玉県警だけを責めるのは、酷といえば酷な話ではないか。

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ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容疑者

 13日午後1時半頃、熊谷市民から「挙動不審な外国人が片言の日本語で周囲の住民を呼び止め、意味のわからないことを話している」との通報を受け、熊谷署で事情聴取されていたナカダ容疑者。「喫煙したい」との要求に警察が応じ、喫煙所に連れて行こうと外に出た隙に逃走し、行方不明になってしまったという。確かに、もっとどうにかできなかったものかと悔やまれはするが、実際この時点で「国に帰りたい」などと言っているだけの男を、警察が拘束できるはずがない。将来起こり得る可能性だけでは何も出来ないし、すぐ直後に、このような一連の事件を引き起こすなど、誰も予想だにできなかったはずだ。

 だから仕方ないというのではない。

 結果、容疑者を五体満足で拘束できなかった事は、理由がどうであれ重大に受け止めなくてはならない事実である。




 しかしペルーという国は、なんておだやかな国であろうか。

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兄のパブロ・ナカダ・"死の使徒"・ルデナ受刑者

 メディアでも取り上げられているが、容疑者の兄は25人もの人を殺害しているというのに、禁錮35年。不謹慎な話だが、人ひとりの命がだいたい1年半という事になる。

 一方、ナカダ(弟)は日本にいた。そして、日本で一連の事件を起こした。ペルーだったらどうだか知らないが、日本では6人もの人を殺めれば、間違いなく死刑だ

 それをナカダは、意識不明の重体まま、それを逃れようとしているか。たかが頭蓋骨骨折くらいで、ナカダを死なせてしまってはもったいない。

 国に帰りたかったのかもしれない。孤独だったのかもしらない。だが、それで人生を悲観して死にたいのであれば、勝手に死ねばいい。6人もの命を道連れにしておいて、法の裁きを受ける事なく意識も戻らないままあの世に逝くというのは、あまりにも身勝手だろう。

 意識を取り戻し法の裁きを受けたところでとても取り返しのつく話ではないが、取り返しがつかなくともこんな重大事件、容疑者死亡で不起訴にする訳にはいかない。




沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。現在、本サイトで小説『死に体』を好評連載中。