>  > 入居者が立て続けに3人転落死したという川崎市幸区の老人ホームのニュースから介護業界の闇を推測する
元極道の異色作家・沖田臥竜のニュース解説  「プロ」はニュースはこう読む!

入居者が立て続けに3人転落死したという川崎市幸区の老人ホームのニュースから介護業界の闇を推測する

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夜逃げした介護業者の話


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Sアミーユ川崎幸町のサイトより(リンク

 さて、後述するといった話であるが、その話はデイサービスである。

 この施設の運営期間は、一昨年の8月から去年の6月までの、わずか10ヶ月にしか満たない。

 経営者の男は、2年でかけた費用をペイにし、3年目からは毎月100万円の収入を得る算段だった。

 元は内装工の個人事業主で、男の名前をかりに「インテリY」とでもしておこうか。

 この「インテリY」は当時、従業員など抱えていなかったのだが、13人も雇用しているように偽り、国からの助成金を3年間不正に受けている。その総額は3000万円。本来の収入と合わせると月収は手取り100万円を超えていた。

 だが、助成金に対しての制度が厳しくなった事から、次の更新では審査にとおらず、不正な受給を受けられなくなってしまう。それならば、本来の収入に見合った生活に戻せばよいのだが、月100万の収入に合わせ暮らしをしていた「インテリY」は、月々の支払いだけでも60万は必要だというのである。バカである。

 そして「インテリY」が乗り出した次なる金儲けが、他でもないデイサービスだった。

 まず開店資金として、保証協会から1000万の融資を受け、更に国金(国民生活金融公庫)に対し1000万の回転資金を申請し、融資が通ったら購入しようと1000万のアウディを予約していたのだが、幸い?融資は通らず、見せびらかしていたアウディのパンフレットだけが虚しくデイサービスの事務所に置かれてあった。

 そんな経営方法で、ズブの素人がデイサービスを上手く経営できる訳もなく、助成金で得た3000万とピッタシ同じの3000万の借金をこしらえる事になってしまった。

 そうなれば、いつしか「インテリY」の思考では、何故か自分が被害者となってしまうのだ。次から次に起こった災いは、自業自得というのに、全て人の仕業になってしまう。

 そして、最後は散々の裏切り方で姿をくらましていったのだった。Yの行方は誰も知らない。




沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。現在、本サイトで小説『死に体』を好評連載中。