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今井亮一の「裁判傍聴バカ一代」R-ZONE出張版

【裁判所24時】オービスを光らせた動画をYou Tubeにアップした男 判決編

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判決を下す

 裁判官「主文、被告人を懲役9月に処する。この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予する」
 
 3年間、新たに刑罰を受けることなく過ごせば、判決は効力を失い、懲役9月を服役する必要はなくなる、そういうことだ。
 
 裁判所が認めた犯罪事実は、大報道されたスピード違反3件(112、65、70キロ超過)と、その3件から約1カ月後のスピード違反1件(74キロ超過)。
 
 裁判官「この事実はこの法廷で取り調べた証拠によってすべて認めることができる。それに関係する法律を適用して、主文の判決としました」
 
 続いて量刑の理由。
 
 裁判官「警察への反感などから......撮った動画を投稿して自慢したい...その動機は呆れるほかないし、規範意識の欠如は大いに問題である......同種事案の中でも最も悪質な部類に属する......」
 
 そして、「もっとも......」と続けた。悪い情状をまず列挙し、次に酌むべき情状を列挙する、それが判決言渡しのスタイルだ。
 
 裁判官「素直に認めて反省......車両は処分している。母親が出廷して監督を誓っている。(4年半前のスピードの)罰金以外の前回がない......」
 
 執行猶予の説明をし、上訴権を告げ、13時07分閉廷。
 
 執行猶予判決なので、これで被告人は手錠・腰縄から解放される。いったん留置場へ戻り、着替えて私物を受け取り、母親といっしょに実家へ帰るのだ。
 
 6月17日に逮捕されてから、9月14日の判決まで約3カ月、被告人は勾留され続けた。
 こんな事件、証拠隠滅、逃亡のおそれが──裁判所が好きな言い回しを借りれば──あると認める合理的理由は、論理則・経験則等に照らして何らない。
 人の自由を奪うことを検察と裁判所がいかに軽く考えているか、浮き彫りというほかない。
 
 ちなみに前橋地裁からの帰途、道に迷ったり(俺の愛車にはカーナビがないのだ)、大渋滞に巻き込まれたりして、なんと5時間半もかかってしまった。泣きそうっ。

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光らせて遊ぶなんて犯罪はともかく命の危険もあり他人にも迷惑を及ぼすので絶対ダメ! 撮影=今井


(取材/文=今井亮一)






今井亮一 プロフィール
いまいりょういち●交通ジャーナリスト/マンガ原作者/作家。著書は『交通違反ウォーズ!』(小学館)、『なんでこれが交通違反なの!? 警察は教えない126の基礎知識』(草思社)、『裁判中毒 傍聴歴25年の驚愕秘録』(角川書店)など多数。
ブログ「今井亮一の交通違反バカ一代」http://ko-tu-ihan.cocolog-nifty.com/
メールマガジン「裁判傍聴バカ一代」http://www.mag2.com/m/0001035825.html