>  > 【裁判所24時】オービスを光らせて動画サイトにあげたら、求刑××年!
今井亮一の「裁判傍聴バカ一代」R-ZONE出張版

【裁判所24時】オービスを光らせて動画サイトにあげたら、求刑××年!

この記事のキーワード:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

彼が「スピード違反」にこだわった訳

 被告人は、警察官2人に伴われ、手錠・腰縄の姿で入廷した。6月に逮捕されてから約2カ月半、警察の留置場に勾留され続けているのだ。
 黒色のジャージ上下、短い坊主頭の、地味な感じの普通の若者だった。チャラチャラした感じはまるでない。
 
 中年の男性検察官が2通の起訴状を読み上げた。
 7月7日付けの本起訴分は、報道された3件のスピード違反。
 8月6日付けの追起訴分は、その3件の約1カ月後の、別の場所のオービスによる74キロ超過。
 
 なぜそこまでスピード違反をやったのか。ごく簡単にいえば...。
 
 被告人は5年ほど前に一般道での47キロ超過で捕まり、罰金8万円を払わされたことがあった。それもあってか警察が嫌いになり、パトカーが後ろにいるとブレーキを踏んだり、嫌がらせをしていた。そのうち、オービスに捕まるのは顔がバレるからだと思い、サンバイザーで顔を隠してオービスの下を走るようになった。何回かやったが捕まらず、それで顔さえ隠せば大丈夫と思い込んでしまったようだ。

 そういうのはヤバイですぞと、俺は拙著『なんでこれが交通違反なの!?』(草思社)にしっかり書いてるのに、被告人は読んでなかったんだね。そうして今年3月、知人らと酒を飲むうち、オービスを光らせたら面白いという話で盛り上がり、「引けなくなって、やってしまった」んだそうだ。
 
 で、本起訴分の3件をやり、動画サイトに投稿。
 その動画を知人らに見せたときのことが、捜査段階の調書はこうあるという。
 
 調書「知人に見せたら、うれしそうにして...約束したことを守れてうれしく思いました」
 
 ある意味、律儀な若者とはいえる。
 
 追起訴分の74キロ超過は、交際相手の女性らを載せて運転中、テンションを上げるためわざとオービスを光らせたんだそうだ。その時点では、前の3件の違反で呼び出しがきておらず、顔を隠せば大丈夫と完全に信じ込んでたらしい。
 
 情状証人は被告人の母親。地味だけどちょっと"可愛い系"の、普通のおばさんだった。息子が逮捕されたあと、田舎の村へマスコミが取材に来て大変だったそうだ。
 
 盛り上がりとかテンションとか、そんな犯行動機は俺には理解し難い。一般道で112キロ超過なんてムチャクチャだ。しかし、もとはマジメな若者。今回のことは"若気の至り"、将来に期待できそう、裁判全体をとおして俺はそんな気がした。
 
 さて、求刑は...