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ネット探偵・コウノモトウの「噂の東京パトロール」番外編

「目黒の秋刀魚で切腹して欲しい男」の巻

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東京の繁華街を、誰にも頼まれていないのにプライベートで警備し続ける男、コウノ。四十代無職、住所不定。趣味は「カネになりそうなものを拾うこと」。
このコーナーは、そんな彼による私的パトロール活動の貴重な記録である。
TOKYOの平和は、実はこの男のおかげかもしれない。(R-ZONE編集部)


秋刀魚を食べに行く。タダで

「目黒のさんま祭り」

●情報
・目黒駅前でおこなわれる恒例行事。
・2015年は、およそ6000匹のさんまが無料配布される。
・このイベントのきっかけは「さんまは目黒にかぎる!」のオチでおなじみの古典落語『目黒のさんま』。
・「目黒の良さ」と「さんまの良さ」の両方をわかってもらうために、さんまを炭火焼きと生で無料配布。
・例年20000人以上の人が訪れるという。

 江戸時代、「カタチが刀に似ているため切腹を連想させる」として、武士はさんまを食べなかったらしい。「さんまを食ったら切腹!」と怒鳴りちらされるのであれば、切腹のリスクを冒してまでさんまは食べないが、武士でもなく、なんなら庶民以下の暮らしを強いられている自分としては無料のさんまを断わる理由は微塵もない。
 据え膳はもれなく喰う。そんなオトコでありつづけたいとさえ思っている。


コウノは目黒に向かった

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 さんまの相棒として発泡酒(90円)を購入。
 タダ飯を安酒で胃にブチ込む。クズ男がヤリマンにブチ込む構図に似ているだろうか。いや、似てないな......。ただ、ヤリマン≧タダ飯+安酒ではある。

 まぁ、ソレはどーでもいい。期待に鼻の穴やらいろんなモノを膨らませつつ会場へ。



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 会場に到着。それにしてもスゴい数のヒトである。
 おそらく都内中のビンボー人が集結したにちがいない(オレも含む)。
 発泡酒がヌルくなってしまうのでさんまの配布場所へ向かう。



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 が、オレの行く手を阻むかのごとく頑強な「防御壁」と化した人々(ビンボー人)の行列が立ちはだかる......。



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 この人壁をコジ開ける突破力はいささかも持ちあわせていない。
 いや、単純に並ぶのがメンドクサイ。
 いちおう、スタッフにどのぐらい待つか聞いてみた。
「3時間ぐらいだと思います」
 オレの中のサムライが「並ばない」ことを瞬時に決意。



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 ヘビの生殺し感を存分に味わいつつ、さんまのニオイを肴に酒をあおる。

 武士は食わねど高楊枝。歯にさんまのカスが挟まり、取り除いているかのような小芝居を打ってみたが、誰一人見ていない......。

 徒労。

 さんまのハラワタぐらいニガくて冴えない一日となった。


(取材/文=コウノモトウ)

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本当に切腹してみることをおすすめします(編集部)