当サイトで好評連載中「元極道~」シリーズの作者 渾身の一作
いよいよ本日から連載がはじまる小説『死に体』。これが初の小説執筆という謎の作家、沖田臥龍の素顔にせまるべく、緊急取材を敢行した!
──まずは自己紹介をお願いします。

10代の頃の著者
沖田臥龍(以下沖田) 兵庫県尼崎市出身です。前科は8犯。通算12年間を獄中で過ごしています。昨年の親分の引退に伴い、私もヤクザ社会から足を洗い、現在はカタギの仕事をしています。
──小説を書くようになったきっかけを教えてください。
沖田 もともと書くことが好きだったんですが、21歳で逮捕された時に、初めてマンガ以外の本を読むようになりました。
そこで、何百冊という本を乱読し、読書の楽しさや活字の持つ力を学び、私も世の中に創作を送り出したいという衝動に駆られ、書き始めたのがきっかけです。
──沖田さんの処女作『死に体』のエピソードはなにかありますか?

10代の頃の著者
沖田 この小説は、神戸の山奥の別名、「ひよどり」という神戸拘置所で毛布にくるまり、寒さに震えながら書いたのが原型で、今日まで書いて書き直しを繰り返し、あしかけ、十年近くの月日をかけた事になります。
その拘置所で書いている時に、入り過ぎてしまい泣きながら書いていた事があったのですが、それをボケェ~っとした刑務官にみつかりましてね。目があったんですよ。
すると、刑務官はブツブツ言いながら涙でグショグショにしている私の顔をみて、さっと。本当にさっと目をそらし、足早に立ち去っていきよったんですよ!
「おいっ! コラ! ちょっと待て!」て言おうかと思ったんですけど(笑)。9年間、独居暮らしでしたし、確実に「気持ち悪う」と思われたと、思います。
それと、九州にいる私の兄弟分の話なんですが、私の小説を本部の当番中に見ていたらしいのです。
その時に、まあありがたい事なんですが、涙が出そうになるのを我慢しきれなくなって、それでも必死にこらえていたというんです。
その兄弟の顔を他の当番者に発見され、
「おいっ! どうしてんっ、女にフラれたんか⁉︎」(笑)。
その話を電話で聞かされた時は、なんだか、嬉しいやら、照れくさいやら、可笑しいやらで、くすぐったい気持ちになりました。
──最後に、連載の抱負をきかせてください。
沖田 書き手として、この『死に体』を足がかりに世に出る事が叶えばと、思っています。クスッと笑えて、ぐすんと泣ける物語をこれからも書いていければと思っていますので、応援のほう、よろしくお願いします。本日はありがとうございました。
本日より、毎晩9時に1話ずつ配信予定!
とびっきり笑えて、とびっきり泣ける沖田臥龍の連載小説『死に体』にどうぞご期待ください。