先月26日、渋谷のガード下にある飲食店が惜しまれつつも暖簾を下ろした。
『麺KAWAKEI』
半世紀以上に渡り、渋谷の街を見つめてきた老舗だ。
特にもの凄い味が良かったという印象はないが、24時間営業という事もあって、若い頃飲んだ後などによく立ち寄った。
閉店のする数日前、たまたま店に寄った知人が店内の張り紙を見て店を畳むことを知り、僕にもそれを教えてくれた。
渋谷駅再開発に伴っての閉店だったようだが、今年3月に東急プラザ、そしてこれから、他の店や建物と続き、以前の渋谷の景色から"昭和"がなくなっていくのだろう。
街がキレイになり、より人が集まる場所になるのは素晴らしい。
しかし、その一方で僕の知っている渋谷が少しずつ消えていくというのは、一抹の寂しさと共に何とも感慨深いものがある。
『麺KAWAKEI』。最後にもう一度、食べたかったな。
これから新しいステージが待っていると思いますが、ひとまず長い間お疲れ様でした。
(文=工藤明男)