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その女が注射器を捨てるまで 最終回直前企画

ドラッグを辞めたい/辞めさせたいアナタへ! 「その女が注射器を捨てるまで」から読み解く薬物依存脱出の心得

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薬物常用から離脱する3つの方法

 それでは、どうすれば常用から脱却できるのか?
 簡潔に言うなら、人を常用に走らせてしまう❶〜❸の逆を行けばよいのです。

 つまり、

(A)供給ルートを絶つ
(B)ドラッグ仲間との関係を絶つ
(C)常習を辞める動機を見つける

 この3つを実現できれば、再使用は大きく防げます。
 それぞれ詳しく見てみましょう。


(A)供給ルートを絶つ

 ドラッグも手に入らなければ、やりようがありません。
 そのためには、供給ルートを絶つ=供給者との関係を絶つのが一番です。
 具体的には、どうすればよいか? ──通報して、売人を逮捕・収監してもらえばよいのです。
 再犯をくり返す元タレントのように、元ドラッグユーザーであることを知られると、売人の方から近寄ってくるケースも少なくありません。そのせいで誘惑を受け、再犯に走ってしまうケースが後を絶たないのですが、この場合も警察への通報が一番です。
 社会正義のために通報するのではありません。アナタ自身を、あるいはアナタの大切な人を守るために、通報するのです。


(B)ドラッグ仲間との関係を絶つ

 (A)の「供給を絶つ」ためにも、これは大切です。
 しかし、悪いことをしている者というのは、仲間の足抜けを嫌うものです。ドラッグ仲間というものは、ときには自分用のドラッグを分け与えてまでして、仲間をドラッグ使用の悪の輪に引き留めようと画策します。
 自分だけが置いてけぼりを食らうような心細い気持ちになるのでしょう。自分が辞められないのなら、せめて仲間を道連れに......そんな心理が潜在意識で強く働いているとも言われます。

 また、薬物犯として逮捕をされると、周囲の人々から「薬物に手を出した最低の人間」というレッテルを貼られ、辛い日々を送ることとなるケースも少なくありません。
 そうして居場所がなくなるせいで、悪い仲間を頼ってしまい、それを契機に薬物使用が再開してしまうことも多々あります。玲子も、まさにそうでした。
 実際、性懲りも無く何度も再犯をくり返す覚醒剤事犯などは、シャブ仲間との悪縁を絶ちきれずにいる場合が大半でしょう。ドラッグ依存から脱出したければ、悪縁を絶ちきることが絶対条件です。


(C)常習を辞める動機を見つける

 何よりも大切なのは、これです。
 ドラッグには、その瞬間だけを見れば、心身ともに辛いことを忘れさせてくれたり、圧倒的な快感を与えてくれたりする力があります。しかし、ドラッグを常習し続ければ、最終的には心も身体も破壊され、人間関係や社会性をも壊し尽くされてしまいます。確実にそうなります。
 そうした「ドラッグ使用によるデメリット」を超えるメリットを、見つけられるかどうか──これが常習から脱却できるかどうかの鍵を握っています。

 玲子の場合、覚醒剤というものに、とにかく懲りました。濡れ衣で再逮捕をされたうえ、いくら冤罪であることを訴えても、「逮捕歴のある元シャブ中」というだけで、誰にも信用されませんでした。そのせいで精神病院の閉鎖病棟や刑務所での生活という"地獄"を数年に渡り味わわされました。
 これで覚醒剤を忌み嫌う気持ちが極限まで高まりました。以前は、注射をすれば、腰の痛みや彼氏の浮気、子供との離ればなれの寂しさなどの嫌なことを忘れられるメリットがありましたが、そうしたメリットを、閉鎖病棟や刑務所で生活しなければならないというデメリットが上回ったわけです。
 加えて、玲子の場合、目標を見つけることもできました。
・両親に認めてもらうこと。そのために毎月実家へ送金すること。
・福祉住環境コーディネーターの資格を取ること。資格を取って福祉の仕事に就くこと。
・生活の基盤を整えて、子供と一緒に暮らすこと。
 この3つの目標──人生の目標とでも言うべきものを見つけられたことも、再びシャブに手を出さずにいられる、大きな理由に違いありません。


 さて、このように見てきますと、薬物の常用から脱却するために、(A)〜(C)の3項にも共通して言えることが見えてきます。