【その女が注射器を捨てるまで・最終回直前企画】
ドラッグを辞めたい/辞めさせたいアナタへ!
「その女が注射器を捨てるまで」から読み解く薬物依存脱出の心得
R-ZONEにて連載のリアルノンフィクション「その女が注射器を捨てるまで」。長きに渡ってご愛読いただき、ありがとうございます。
取材/構成を担当しております、ノンフィクション作家の石原行雄と申します。
覚醒剤の乱用による、度重なる自殺未遂と、精神病院・閉鎖病棟への強制入院、そして2度の逮捕と、2年超におよぶ刑務所生活......と、覚醒剤に半生を翻弄された阿佐見玲子のお話は、いよいよクライマックスを迎えています。
物語の要は、玲子がこのまま覚醒剤と手を切って真人間に戻れるのか、それとも辛く苦しい局面から逃げるために再び手を出してしまうのか──やはりこの点に尽きると思います。
そこで今回は、大団円を迎えるに当たり「最終回直前スペシャル」として、表題のような特別企画をご用意しました。
前代未聞のアウトロー関連に特化したニュース/情報サイトということで、R-ZONE読者の中には、ズバリ「ドラッグとは無縁ではない」という方も少なくはないかも知れません。
「健康や命や人生を台無しにしてでも俺はやるんだ!」という方には、何も言うことはありません。言ったところで聞く耳など、はなからお持ちではないでしょう。
しかし、中には「本当はヤメたいけれど、どうしても手を切れない」と苦しんでいる方もいるでしょう。
また、友人や恋人、配偶者や家族など、近しい人がドラッグ漬けで苦しんでいて、それを辞めさせたいと苦悩している方もいるでしょう。
この特別企画は、少しでもそうした方々の手助けとなるよう、阿佐見玲子「その女が注射器を捨てるまで」から、そのヒントを読み解くものです。
薬物依存者の共通点とは?
私ライター石原は、これまでに数多くの薬物依存症者を取材してきました。
それらの経験を踏まえたうえでお話ししますと、阿佐見玲子のケースは典型的な例と言えます。
ひと口にドラッグと言っても、大麻、LSD、覚醒剤、コカイン、阿片、モルヒネ、ヘロイン、危険ドラッグ......と、種類は星の数ほどあります。
しかし、ハマっているネタが何であれ、薬物依存症者というものは、ほとんどの場合、同じような転落コースを歩んでいるものです。
では、薬物依存者の共通点とは? 薬物に手を出してしまう人、そして薬物を常用してしまう人には、大きく分けて3つの共通点があります。
❶供給ルートがある
❷ドラッグ仲間がいる
❸常習する動機がある
それぞれ詳しく見てみましょう。