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「夫婦喧嘩は犬も食わない?」DV被害が減らないのは、こんな理由

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うっかりと漏らすのは、◯◯だけにして

 8月13日、DV被害を受けていた女性の避難先を大阪府警が加害者の夫に伝えていたことに対して、シェルターの運営者が調停を申し立てました。

DVシェルター所在地漏らす=大阪府警相手に調停申し立て時事ドットコム

 シェルターの所在地が知られてしまったことで閉鎖せざるを得なくなったそうで、運営者は移転費用の支援などを大阪府に求めています。

 この情報漏洩のニュース、本当に多いですね。警察だけでなく市役所や検察庁、銀行などが、DV被害者の居場所を「うっかりと」漏らしているのです。こんなんでマイナンバーとか大丈夫なんでしょうか。ちなみに2012年に神奈川・逗子で発生したストーカー殺人は、神奈川県警と市役所による情報漏洩が原因です。

 こうした事態は、お役所側が「DVなどしょせんは夫婦喧嘩」と思っているからではないかという指摘があります。
「この5月に興味深い判決がありました。元警察官によるDV被害の問題です。当時の妻が提出した被害届が別の警察官から当時の夫に漏洩されていたとして、元妻が京都府に対して損害賠償を請求していたのです。京都地裁は『正当な理由のない情報漏洩』で違法とし、京都府に25万円の損害賠償を命じました。妻は漏洩が元で、夫の親族から被害届の取り下げを迫られ、また捜査中の警察官からは『夫婦喧嘩のことばかりやっていられない』と言われていたことも報じられています。つまり、どんなにひどい暴力でも、『夫婦間の問題でしかない』と考えている方がまだ多いということなのです」(DVに詳しい弁護士のBさん)
 加害者が警察官とはひどい話ですが、なるほど減らないわけですね。

 なお、報道によりますと、2014年度中に配偶者暴力相談支援センター(全国247カ所)に寄せられたDVに関する(配偶者以外でも可のようです)相談件数は10万2963件で、調査を始めた02年度の約3倍、初めて10万件を超えたそうです。ストーカーの被害も増えています。

「若い女性はこうした窓口も知らないでしょうし、相談もできない被害者はまだたくさんいると思います。数字は氷山の一角でしょうね」と弁護士のBさんは分析しています。相談者は、障碍者や日本語があまり話せない外国の方のほか、少数だけど男性もいらっしゃったそうです。

 力が有り余っておられる方は、弱い方々に向けないで、そのパワーをぜひ別のところでお使いいただきたいものです。まずは道路工事とか清掃とかですね。よろしくお願い申し上げます。


(取材・文=吉原美姫)

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「配偶者暴力支援センター」各都道府県にあるので、悩まれている方は事前に電話した上ご相談に行くことをお勧めいたします。(http://www.gender.go.jp/e-vaw/soudankikan/01.html