>  >  > 高校で卒業式やったので最後かと思ったら刑務所で入学式やるはめになろうとはネ
俺の、最後の獄中絵日記 第175回

高校で卒業式やったので最後かと思ったら刑務所で入学式やるはめになろうとはネ

この記事のキーワード:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらい月形刑務所で服役中だった後藤武二郎は、ある日、たまたま目にした職業訓練募集の張り紙に深く考えず応募したところ、まさかの当選。住み慣れた北海道を離れ、九州は佐賀少年刑務所へ移ることになってしまった。


enikki_tobira.jpg


さすがに『贈る言葉』は歌わなかったよ

2013年(平成25年)7月1日

いよいよ訓練工場へ出陣。

今日はCADの前期の訓練生から今期の訓練生にバトンタッチする"入退所式"というのがあった。

狭い教室に集まって、偉いのがきて、形式ばかりの卒業式と入学式をミックスしたやつだネ。

誰が観に来るわけでもないのに、始まる前の起立、礼、着席、それに返事の仕方や誓いの言葉なんかを繰り返し繰り返し......のリハーサルには参ったネ。

それでも、どうせやらなきゃいけないのだから、だったらちゃんとやろうと心掛けてやる事にしてる。

どうだい、大人だろう

訓練工場に戻ると、前期の訓練生のテスト成績がずらりと壁に貼られていた。

おいおい本当かよ、これじゃあ俺のバカが皆にバレるじゃねえか。

それに、まさか試験があるとは思わなかったよ。

しかも1級と2級の2つもあるのか!

話によると、まずは筆記の2級を合格して、初めて1級の受験資格が得られるということだ。

1級の試験はパソコンを使用した実技で作図になる。

つまり、2級に合格した者だけがその後の訓練でパソコンを使用できるのだ。

もしも2級に落ちてしまったら、皆と同じようにパソコンを触らせてもらう事もできずに、残る訓練期間は後ろに席を移され、毎日テキストを読むだけという辛い日々になってしまうらしい。

前期にも1名、そんな人がいたことを、壁に張り出されている成績表が物語っていた。

参ったよ、そんな針のむしろの毎日に耐えられるかねェ俺。

あれ、もう2級に落ちたことを考えているのかって? そ、そんなことねェよ、多分。


20150726.jpg