テレビ、ラジオ、新聞はかならずしも事実を報道しているとはかぎらない。それは「嘘」を伝えているということではなく、都合の悪い情報をあえて伝えないことで世論をある特定の方向に誘導しようとしている可能性もある、ということである。そこで過去に何度もテレビ、ラジオ、新聞で「報道された側」(笑)であり、報道と事実のギャップを身を持って知っている男でもある元ヤクザ、現在作家の沖田臥龍に、「ニュースの読み方」を指南してもらう!
病める時も健やかなる時も一緒なのはシャバだけやで

「強盗容疑:16歳少女に誘われコンビニ襲う...33歳男逮捕」毎日新聞(リンク)
「強盗容疑:16歳少女に誘われコンビニ襲う...33歳男逮捕」 捜査1課によると、片岡容疑者は「少女から『コンビニ強盗で手っ取り早く金を取ろう』と言われた。嫌われたくなかったのでやった」と認めているという。(以下略)
毎日新聞 2015年07月14日 12時48分
コンビニで現金を奪ったなどとして、大阪府警は14日、無職の片岡孝広容疑者(33)=大阪府寝屋川市池田3=と兵庫県内に住む交際相手で専門学校生の少女(16)を強盗や強盗未遂の疑いで逮捕したと発表した。2人は出会い系アプリを使って知り合った。
普通は行かんわな。
いくら16歳の娘に唆されても、コンビニに強盗しには行かんわな。
高校生でも行かんわな。
でも、この片岡は行ってしまった。33歳のクセに......、無職のクセに......。
恋愛に年の差云々は言わないが、16歳の娘と33歳のおっさんが一緒にいるだけで世間は不純の目しか向けんのだぞ。「嫌われたくなかった......」と供述してるみたいだが、嫌われたくなければなぜ働かん。なぜ一生懸命働かん。
だいたい嫌われるも何も、ぶっちゃけもうニ度とこの娘(16)に会うコトはできないだろうに。
事件を一緒に打っても、年齢・性別・立場などで、その後の処分は大きく変わる。娘の場合は鑑別所へと送られ、その後少年院にも送致されるだろうが、それでも1年前後で再び社会の風を吸えると思われる。
対する片岡の場合、そそのかされたとはいえ、そそのかした娘は未成年だ。おのずと33歳の片岡に責任がのしかかってくる。どう考えたって裁判官は寛大にはみてくれんわな。
そりゃ、先の事は判らんが、可能性からして、娘と「タタキ(強盗)」をすれば、それくらいのリスクがある事くらい想像できなかったのだろうか。
強盗なら5年以上の懲役、コンビニ店員をケガでもさせていたら強盗致傷で無期又は6年以上の懲役だ。長丁場の社会不在を余儀なくされるのは当然で、4年も5年も前にシャバに戻っていた娘が待ってくれていると思うか?
片岡が出所した頃には、もう娘は過去の過ちを反省し、結婚して子供が出来ていてもおかしくない。
哀れなり片岡......。
というわけでサムネイル画像は、娘の友だちに恋して家庭を崩壊させてしまう中年男を描いた映画『アメリカン・ビューティー』から引用しました
沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。なお、沖田の処女小説は本サイトで近日連載開始。乞うご期待!